全1649文字
PR

 自動車メーカーにとって、欧州で厳しさが増すCO2排出量の規制は悩ましい問題の1つです。特にガソリンエンジンの開発では、いかに熱効率を高めるかが悩みどころ。プレチャンバー(副燃焼室)、水噴射、超希薄燃焼など、多様な技術の研究に各社とも力を注ぎます。技術を駆使し、誰がいち早く熱効率の高いエンジンを開発するのか――。互いに切磋琢磨(せっさたくま)している状態でした。

 そんな中、欧米FCA(Fiat Chrysler Automobiles)のMaserati(マセラティ)が、他社に先駆けてパッシブプレチャンバーを採用した新型エンジン「Nettuno(ネットゥーノ)」を開発。2020年9月9日に、同エンジンを搭載する新型スポーツ車「MC20」を発表しました。同技術を採用したエンジンと市販車の登場に、多くの人は驚いたことでしょう。

欧米FCA(Fiat Chrysler Automobiles)のMaserati(マセラティ)が2020年9月9日に発表したスポーツ車「MC20」。プレチャンバー(副燃焼室)を採用した新型エンジン「Nettuno(ネットゥーノ)」を搭載する(撮影:日経クロステック)
欧米FCA(Fiat Chrysler Automobiles)のMaserati(マセラティ)が2020年9月9日に発表したスポーツ車「MC20」。プレチャンバー(副燃焼室)を採用した新型エンジン「Nettuno(ネットゥーノ)」を搭載する(撮影:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 筆者もその一人です。プレチャンバーを採用した市販車向けエンジンは、ホンダが先行して世界に公開すると思っていたからです。

 実は、2019年7月に実施したホンダ幹部へのインタビューの中で、ガソリンエンジンの熱効率を向上するための技術として、ホンダは「プレチャンバーに注目している」と明かしていました。新しくエンジンをつくるタイミングでの量産化を視野に、インジェクターや点火、燃焼室の形状などを研究。「数年内には技術を確立したいと思っている」と語っていたのです。

 しかし、そのホンダが抱く量産化の思いを抜き去り、市販車にプレチャンバーを採用したエンジンをいち早く搭載したのはマセラティでした。

 そもそも、ホンダとマセラティでは、主力車の目的も、量産台数も、価格も異なります。同じ土俵に乗せてエンジン開発を比べるのは少し強引かもしれません。それでも、プレチャンバーの研究を進めていたホンダの開発陣にとっては、先を越されたという悔しさがあるのではないでしょうか。

 そこで今回は、マセラティが開発したエンジン「ネットゥーノ」から出題します。同エンジンはプレチャンバーを採用したことに加えてもう一つ、ある特徴があります。それは次のどれでしょうか。

1:1気筒当たり点火プラグを2つ搭載するエンジンとした

2:気筒のストロークを長くするため可変圧縮比(VCR:Variable Compression Ratio)エンジンとした

3:バンク角が180度のV型エンジンとした