全1798文字

 自動運転の開発競争が激化している自動車業界において、大手半導体メーカー米NVIDIA(エヌビディア)の存在感が増しています。同社の強みは、AI(人工知能)処理などに求められる高い演算性能に加え、使いやすいAI開発の環境などにあるといわれています。その存在は農業分野でも欠かせないものとなりそうです。

 2020年10月6日、農業機器や建設機械などを扱うクボタは、NVIDIAと農業機械の自動運転分野において、戦略的パートナーシップを結びました。自動運転の農機の開発を加速するのが狙いといいます。

 これまでクボタはGPS(全地球測位システム)を活用し無人運転が可能なトラクターなどを開発・販売してきました。今後はこれを進化させて、次世代型の農機開発を目指しているといいます。

 その目標として見定めているのが、完全に無人で作業をこなせる農機です。天候や作物の生育状況などのデータを分析し、最適なタイミングで適切な農作業を判断して行うといった、ロボット並みの自動運転が可能な農機を目指しているのです。

次世代型の農業機器をイメージした「クボタコンセプトトラクタ」(出所:クボタ)
次世代型の農業機器をイメージした「クボタコンセプトトラクタ」(出所:クボタ)
[画像のクリックで拡大表示]

 この目標を実現するに当たりクボタは、「周囲の状況を正確に把握する“目”と、瞬時かつ高度に次の動作を判断する知能化が必要。そのためには、車載型で遅延がほとんど生じないエッジAIでの画像認識が欠かせない」と考えました。

 もはや農機の開発においても、自動車のADAS(先進運転支援システム)並みの性能と設計の考え方が求められています。業種を超えて無人運転の分野では、NVIDIAの存在がさらに大きくなりそうです。

 そこで今回はNVIDIAの動向についてまとめました。特に自動車業界での影響力について見ていきましょう。

 日経クロステック/日経Automotiveの特集『統合ECUの主導権を握る エヌビディアは敵か味方か』では、統合ECU(電子制御ユニット)を巡る主導権争いをテーマに、存在感を増す半導体メーカーと自動車メーカーの動向をまとめています。その中の記事『エヌビディアのアーム買収、自動車業界への影響は?』では、NVIDIAや米Intel(インテル)/イスラエルMobileye(モービルアイ)といったIT系の半導体メーカーについて、今の自動車業界において「強い影響力を持つ」と指摘しています。

 その理由について同記事では、「クルマの競争軸はAIなどのソフトウエアにシフトするといわれており、ソフトウエア・ディファインド・ビークル(SDV:Software Defined Vehicle)が主戦場になる」と分析しています。

 さらに今後、この技術開発の主導権を巡り、「自動車メーカー、1次部品メーカー(ティア1)、半導体メーカーの間で競争が激化しそうだ」としています。NVIDIAはまさにその渦中にいるわけで、主導権を握ろうとしているのです。

 そこで問題です。2020年6月、ある大手自動車メーカーがNVIDIAとタッグを組むことで“ビークルOS”と呼ばれる車載ソフトウエア基盤の開発競争に参戦することを発表しました。さて、この自動車メーカーは次のどれでしょうか。

1:トヨタ自動車

2:米GM

3:ドイツDaimler(ダイムラー)