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 欧州自動車メーカーの電気自動車(EV)に対する取り組みが加速しています。2021年以降の展開をにらみ、ドイツDaimler(ダイムラー)やフランスRenault(ルノー)が新型EVの開発方針を2020年10月に相次いで発表しました。高まるEV需要を取り逃がすまいと、部品メーカーの開発競争が激しくなっています。その1つが駆動用モーターの軸受部品です。高速回転化に向けた技術開発で各社が火花を散らせています。異常な温度上昇をいかに抑制するのかが鍵を握ります。

フランスRenault(ルノー)が2020年10月15日に発表した新型電気自動車(EV)のコンセプト車「メガーヌ eVision」(出所:Renault)
フランスRenault(ルノー)が2020年10月15日に発表した新型電気自動車(EV)のコンセプト車「メガーヌ eVision」(出所:Renault)
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 大手自動車メーカーは、EV開発の次のステージに向けた技術開発に熱心です。例えば、2020年10月6日、Daimlerは次世代の電動駆動装置の開発に新たなリソースを投じることを明らかにしました。モーターなどを自社開発する方針です。同社は新型のEVを2021年から順次市場に投入する予定で、さらに2025年以降には小・中型の車種にもEVを広げる方針です。

ドイツDaimler(ダイムラー)が2021年以降の発売を目指す電気自動車(EV)のコンセプト「Vision EQS(ビジョンEQS)」(出所:Daimler)
ドイツDaimler(ダイムラー)が2021年以降の発売を目指す電気自動車(EV)のコンセプト「Vision EQS(ビジョンEQS)」(出所:Daimler)
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ドイツDaimler(ダイムラー)は次世代の電動駆動装置を自社開発する方針(出所:Daimler)
ドイツDaimler(ダイムラー)は次世代の電動駆動装置を自社開発する方針(出所:Daimler)
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 このような動向を見ていると、今後EVの開発において、さらに高性能な部品が求められると考えられます。いったいどのような部品が必要になるのでしょうか。

 その1例として、EVの駆動用モーターを支持する軸受を紹介します。日経クロステック/日経ものづくりの記事『EV対応で怒涛の軸受高速化、発熱少ない保持器で大手が三者三様』で取り上げました。

 同記事によると、「EVの駆動用モーターでは小型化・軽量化と高出力化を両立するために高速回転化が不可欠になっており、モーターの回転軸を支える軸受側にも対応が求められている」といいます。

 軸受のピッチ円直径(mm)と回転数(rpm)を掛け合わせた数値であるdmn値は、従来よりも高速な150万超が勝負の場。日本の大手軸受メーカー、NTN、日本精工(NSK)、ジェイテクトの3社がしのぎを削っています。高速回転化のためには、異常な温度上昇をいかに抑制するかにあるといいます。これをどのように克服するか、アプローチは三者三様だそうです。

 そこで問題です。『EV対応で怒涛の軸受高速化、発熱少ない保持器で大手が三者三様』の記事によると、ジェイテクトは従来と大きく異なる形状の保持器を開発したことなどで、dmn値が150万を達成した製品の開発に成功しました。ちなみに保持器とは転動体(玉)の間隔を一定に保つ部品のことです。

 同記事によると、ジェイテクトは保持器の形状を次のように見直しました。

「従来の軸受では爪の先端が玉の(A)ようなポケット形状を形成していたが、新しい軸受では(B)とした」

 さて、(A)と(B)に入る言葉の組み合わせは、次のどちらでしょうか。

1:(A)反対側まで回り込んで抱え込む (B)ほぼ半円

2:(A)反対側まで回り込まずに抱え込む (B)全体を覆う形状