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 ホンダ世界初!――。こんなニュースが2020年11月11日、自動車業界を駆け巡りました。世界に先駆けて、「レベル3」の自動運転機能を量販車に搭載することを発表したのです。運転者がステアリングから手を放し、かつ前方から目を離した状態になっても、システムが車を操作し走り続けます。トヨタ自動車やドイツDaimler(ダイムラー)、同BMWなど、他の自動車メーカーもレベル3対応で追従します。2021年は自動運転を巡って激しい競争が各所で起こりそうです。

ホンダは高級セダン「レジェンド」の新型車で、ドイツDaimler(ダイムラー)は高級セダン「Sクラス」の新型車でそれぞれレベル3に対応する方針。他方、ドイツBMWは「iNEXT」で対応する予定という。トヨタ自動車は未発表だが、高級セダン「レクサスLS」の新型車でレベル3を見据えていると考えられる。写真は左上が現行のレジェンド。右上は現行のSクラス。右下はiNEXT。左下は新型のレクサスLS(出所:トヨタ自動車、ホンダ、BMW、Daimler)
ホンダは高級セダン「レジェンド」の新型車で、ドイツDaimler(ダイムラー)は高級セダン「Sクラス」の新型車でそれぞれレベル3に対応する方針。他方、ドイツBMWは「iNEXT」で対応する予定という。トヨタ自動車は未発表だが、高級セダン「レクサスLS」の新型車でレベル3を見据えていると考えられる。写真は左上が現行のレジェンド。右上は現行のSクラス。右下はiNEXT。左下は新型のレクサスLS(出所:トヨタ自動車、ホンダ、BMW、Daimler)

 自動運転技術を筆頭に、高度な運転支援機能を実現する車はもはや最新技術の塊と言える存在になりました。カメラや超音波センサー、LIDAR(3次元レーザーレーダー)など多種多様なデバイスを搭載しています。加えて、ハードウエアだけではなくシステムを制御するソフトウエアの開発も欠かせなくなりました。それだけに、自動運転の覇権争いはさまざまな企業に影響を与えます。

 そこで今回は、自動運転に関連した主な自動車メーカーの技術や動向について振り返ります。

 なお、自動運転のレベル3についての解説は、日経クロステック/日経Automotiveの記事『日本で自動運転レベル3が解禁、いざ高速道路へ』をお読みください。

 ホンダが満を持して発表したレベル3の自動運転車は、2020年度内に発売を予定している高級セダン「レジェンド」です。ホンダにとって最新技術のショーケースといった役割を担う車両だけに、レベル3自動運転機能の搭載車に選ばれたのかもしれません。

 レジェンドが搭載する自動運転システムは、2組のセンサーシステムを使って冗長性を持たせたのが特徴です。

 同技術を解説した記事『システム2重化で冗長性を確保』によると、ホンダが2組のセンサーシステムを採用した理由の1つにコストがあるといいます。「センサーの数を増やせばシステムの冗長性を高められるが、コストが高くなり、量販車への搭載が難しくなる。コストの上昇を可能な限り抑えながら冗長性を担保するためにホンダは、今回の2組のセンサーシステムを採用することにした」というわけです。

 この2組のセンサーを使ってどのようにハンズオフ(運転者がステアリングから手を放す)やアイズオフ(運転者が前方から目を離す)の機能を実現したのかは、同記事をお読みください。

 ホンダに“世界初”を譲ったものの、他の自動車メーカーもレベル3の自動運転技術開発では後れを取っていません。

 例えばDaimlerは2021年後半に、乗用車事業会社であるMercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)の高級セダン「Sクラス」の新型車でレベル3に対応する方針です。

 しかも、さらなる機能を追加して差異化を図るようです。『ベンツ、自動運転レベル3を21年後半から 「Sクラス」刷新で』の記事によると、DaimlerはSクラスの新型車に「レベル4」の自動駐車機能も採用する予定となっています。そのためかホンダとは異なり、ミリ波レーダー、ステレオカメラ、単眼カメラ、超音波センサー、LIDARなど、多種多様なセンサーを導入して実現するようです。

 BMWもレベル3の自動運転機能の搭載に意欲的です。2021年にレベル3に対応した車両「iNEXT」を投入する方針です。同社はそのシステム構成などを、2020年1月に米ラスベガスで開催された米国最大のコンシューマーエレクトロニクス関連の展示会「CES 2020」でいち早く公開しました。

 『システム構成とサプライヤー判明、BMWが21年投入のレベル3自動運転車』の記事によると、BMWは主要部品を供給するサプライヤーについて明らかにしています。例えば、自動運転車の“頭脳”となるECU(電子制御ユニット)は米Aptiv(アプティブ)製で、内蔵するSoC(System on a Chip)はイスラエルMobileye(モービルアイ)製です。

 さらに『Intel色が鮮明、BMWの自動運転システム 内部を初披露』の記事によると、同社はECU内部の半導体構成まで示したとのことです。

 ここで気になるのが、世界の自動車市場で1、2を争うトヨタとドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン:VW)の動向です。

 そこで今回のクイズは、主な自動車メーカーの動向をまとめた記事『ホンダは20年内に自動運転レベル3対応技術、レベル未公表のトヨタも有力』から出題します。

 同記事を執筆した2020年5月時点では、トヨタは自動運転技術の開発に積極的なものの、レベル3実用化の具体的な計画は未公表という状況でした。一方で同社は自動運転技術の開発ロードマップを示し、今後の方向性を説明していました。

 このロードマップによると、自家用車向けの自動運転は、「レベル2から(A)を掲げている」とあります。さて、(A)に入る言葉は次のどちらでしょうか。

1: 3、4、5への段階的なレベルアップ

2: 間の3と4を飛ばして一気に5へのレベルアップ