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 日々進化する車の先進運転支援システム(ADAS)。今後ADASがさらに進化して運転者を必要としない自動運転が実現すると、車内空間の在り方、特にHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)は大きく変化するといわれています。実はその変化はADASの進化とともに、既に量販車で始まっているのです。2020年11月24日に日産自動車が発表した新型の小型車「ノート」では、コックピットにその片りんが現れていました。インストルメントパネル(インパネ)へ段違いに配置した大型ディスプレーがそれです。来る次のステップに備えた取り組みだといいます。

日産自動車が2020年12月23日に発売予定の新型小型車「ノート」のインストルメントパネル(インパネ)。大型ディスプレーが2枚設置されている(出所:日産自動車)
日産自動車が2020年12月23日に発売予定の新型小型車「ノート」のインストルメントパネル(インパネ)。大型ディスプレーが2枚設置されている(出所:日産自動車)
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 日産が発表した新型ノートは、インパネに搭載したディスプレーの配置に特徴があります。ステアリングの奥とセンターコンソールの上部にそれぞれ、メーター類を表示するディスプレー(メーターディスプレー)と地図や操作アイコンを表示するディスプレー(センターディスプレー)を1枚ずつ設置。2枚を一体化するデザインを採用し、運転席から見るとあたかも大きな1枚のディスプレーとして見えるようにしました。

 2枚の大型ディスプレーを横並びに配置し一体化したタイプは、ドイツDaimler(ダイムラー)の小型車「メルセデスベンツ Aクラス」といった量販車でも採用実績があります。しかし、日産のノートの場合はセンターディスプレーをメーターディスプレーよりも少し手前に配置するといった工夫を施しました。ここに日産の戦略が見え隠れしているのです。

ドイツDaimler(ダイムラー)の「メルセデスベンツ Aクラスセダン」のインパネ。2枚のディスプレーを横一列に配置して一体化したデザイン(出所:Daimler)
ドイツDaimler(ダイムラー)の「メルセデスベンツ Aクラスセダン」のインパネ。2枚のディスプレーを横一列に配置して一体化したデザイン(出所:Daimler)
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 日経クロステック/日経Automotiveの記事『日産が考える自動運転時代のHMI、S字ディスプレーに“なで肩”シート』によると、ディスプレーの配置で段差を設ける理由について、「センターディスプレーをタッチ操作しやすいように乗員に近付けた」と説明しています。

 日産は今後のHMIについて、「高度な運転支援システムを導入すると、車両の挙動やセンシングなどの状況を運転者に知らせる必要がある」ことに加え、「ナビやエンターテインメントなどの情報を表示させるため、ディスプレーは自然と大きくなってしまう」といった技術課題があるとのことです。そこで2ステップでHMIを進化させる方針を立て、段階的に量販車に搭載することで課題を解決しようとしたと考えられます。つまり、新型ノートで採用した一体型ディスプレーの形状は同社のHMI進化の第1ステップというわけです。

 ここで問題です。日産はHMI進化の次の段階として、液晶ディスプレーをインパネ全面に配置することを目指しています。そのディスプレーを通じて、「MR(Mixed Reality、複合現実感)技術を適用することで、運転者が求めている情報を(A)に重ね合わせ、適切なタイミングで提示する」のが狙いです。

 さて、(A)に当てはまる文言は次のどちらでしょうか。

1: CGで再現した風景

2: 実際の風景