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 昨今の自動車メーカーは、電気自動車(EV)や自動運転をにらんだ先進運転支援システム(ADAS)など、次世代車の開発にかかるコストが急増しています。それだけに、いかに時間やコストを削減して開発を効率化するかが重要な鍵となります。その取り組みの1つとして3Dプリンターの活用が増えてきました。よく知られているのがドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン:VW)です。インテリアやエクステリアのプロトタイプ製作で効果を発揮しているといいます。

 VWはこれまでも、インテリアやエクステリアのプロトタイプ製作で3Dプリンターを活用していました。しかし、その工程を見直して、さらに効率化を目指したといいます。イスラエルStratasys(ストラタシス)が2019年に発表した3Dプリンター「J850」を導入したのはその1例です。

ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン:VW)は、自動車の開発において複数の材料に対応した3Dプリンターを活用しました。ガラスのように透明度が高いプロトタイプ部品も製作し、設計に役立てたといいます。写真はSUV(多目的スポーツ車)の「Tiguan R-Line」のヘッドランプ(出所:Volkswagen)
ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン:VW)は、自動車の開発において複数の材料に対応した3Dプリンターを活用しました。ガラスのように透明度が高いプロトタイプ部品も製作し、設計に役立てたといいます。写真はSUV(多目的スポーツ車)の「Tiguan R-Line」のヘッドランプ(出所:Volkswagen)
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 同プリンターは複数の素材感を一度の造形でフルカラー表現できるのが特徴です。プラスチック、ゴム、布、皮革、木材、ガラスなど、複数の素材感を持つプロトタイプを一気に製作できることから、従来よりも時間とコストの削減に役立ったとしています。

 一般的に3Dプリンターでプロトタイプを製作する場合、材質や素材感ごとにパーツを製作してそれらを組み合わせて完成させます。パーツによっては塗装する必要があったり、外部に製作を依頼したりすることがあります。

 ちなみに、3Dプリンターの基礎については、日経ものづくりの記事『3Dプリンター活用最初の一歩、なぜ複雑形状が造れるのか?』をお読みください。

 VWのように3Dプリンターの活用を加速させる自動車メーカーは他にもあります。例えば、ドイツBMWグループは2020年6月、3Dプリンティング(アディティブ製造=AM)の新しい施設「Additive Manufacturing Campus(以下、AMC)」を正式に開設しました。

 日経クロステック/日経ものづくりの記事『BMWの3Dプリンター技術30年が結実 80人雇用、50台集約の新施設』によると、同施設では、アディティブ製造による試作品と製品用の部品製造に加え、アディティブ製造に関する新技術の研究と同技術をグローバル展開するためのトレーニング機能を提供するといいます。投資額は1500万ユーロ(約18億円)に上ります。

 日本の自動車メーカーでは、日産自動車が本格的に3Dプリンターの活用へ動きだしているようです。日経クロステック/日経ものづくりの記事『「電動化が進むと部品は増える」、アディティブ製造に本気の日産』によると、同社は量販車の部品へのアディティブ製造の実用化を視野に、積極的に検討を進めています。その背景にあるのが、自動車の電動化だといいます。

 ここで同記事からクイズを出題します。日産自動車は今後の環境規制に対応するために、ハイブリッド車(HEV)に搭載するエンジンの部品は小型化・軽量化することが不可欠としています。その手段の1つとしてアディティブ製造を位置付けています。

 中でも軽量化においては、「動く部品」を軽量化すると波及効果が大きいと見ています。その効果は、「ピストンを100g軽量化できれば、車体を(A)軽量化したのと同等の効果を得られる」としています。

 さて、(A)に入る言葉は次のどれでしょうか。

1: 500g

2: 1kg

3: 10kg