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 コロナ禍が広がるなか、従業員の感染を防ぐために多くの企業がテレワークを導入した。直接コミュニケーションを取りにくい状況でビジネスを円滑に進めるためには、オンラインミーティング/チャットツールの導入が不可欠だ。

 「Slack」は、IT関連企業を中心に注目を浴びているビジネス向けのチャットツールの一つで、米Slack Technologies(スラック・テクノロジーズ)が提供している。無料プランを用意しており、気軽に機能を試せる。今回はこのSlackの基本的な機能と導入方法を、前編と後編に分けて紹介する。

 なお2020年8月中旬時点では、アカウントによって微妙に画面内の要素の配置が異なることがある。これは、Slackのシステム側で古いユーザーインタフェースから新しいユーザーインタフェースへ切り替えている最中であるためだ。自分のアカウントの画面が記事中の画像と違っていたら適宜読み替えてほしい。

ビジネスユーザー向けのチャットツール「Slack」
ビジネスユーザー向けのチャットツール「Slack」
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ワークスペースとチャンネルで情報を整理

 Slackでは、1対1でのチャットのほか、複数のユーザーをまとめたグループ単位でのチャットが可能だ。チャット機能自体は、広く普及している個人ユーザー向けのチャットツール「LINE」と似ている。

 個人利用のイメージが強いLINEとは異なり、Slackにはビジネス利用を前提にした機能がある。そのなかでもSlack活用で最も重要といえるのが、ユーザーを管理する「ワークスペース」と、話題や作業のテーマごとに設定できる「チャンネル」だ。

Windows 10のクライアントアプリの画面。最も左に並ぶのがアクセスしているワークスペースで、縦方向の中央近くにある「チャンネル」という文字の下に並んでいるのがチャンネルだ
Windows 10のクライアントアプリの画面。最も左に並ぶのがアクセスしているワークスペースで、縦方向の中央近くにある「チャンネル」という文字の下に並んでいるのがチャンネルだ
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 ワークスペースは、Slackで情報を共有したいすべてのユーザーをまとめる大きなくくりである。例えば営業部内にてSlackで情報共有したいなら、「営業部」と名付けたワークスペースを作り、営業部の社員を登録する。同じワークスペースに登録したユーザー同士でチャットできるようになる。

 ワークスペースには、組織内のユーザーだけではなく外部のユーザーも登録できる。ただし、ワークスペース内の情報は、適切にセキュリティーを設定しないとすべてのユーザーに開示された状態になる。外部のユーザーを登録するときは、後述するチャンネルのプライベート設定を実施して、アクセスできる情報を制限したほうがよいだろう。

 チャンネルは、ワークスペース内に設けられたチャットルームと考えるとよい。進行中の業務内容や日報など、整理したい話題ごとに作成できる。チャンネル数に制限はない。チャンネルは、ワークスペースに登録したユーザーすべてがアクセスできる。話題に興味があるユーザーや報告が必要なユーザーが、適切なチャンネルにメッセージを書き込んでいくことで、情報が整理されていく。

 こうした概念のないチャットツールだと、書き込まれたメッセージは時間軸のみで整理することになる。時間がたってメッセージが増えてくると、重要な情報が埋もれて見つけにくくなってしまう。

 このチャンネルには、指定したユーザーのみ読み書きできるようにするプライベート設定が可能だ。ワークスペース内のすべてのユーザーに見せる必要がない、あるいは拡散させたくない情報を扱うときは、プライベート設定を有効にしておくとよいだろう。

チャンネルを作るときに、プライベート設定を有効にするかどうかを選択できる。作成したチャンネルをプライベートチャンネルに切り替えることもできるが元の「パブリックチャンネル」には戻せない
チャンネルを作るときに、プライベート設定を有効にするかどうかを選択できる。作成したチャンネルをプライベートチャンネルに切り替えることもできるが元の「パブリックチャンネル」には戻せない
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 ワークスペースとチャンネルをうまく活用し、書き込まれた情報を分散させずに管理するのがSlackの真骨頂といえる。

無料プランでもSlackは十分活用できる

 導入で気になるのはコストだろう。Slackでは月額や年額の有料プランのほか、無料プランを用意している。

各プランの主な違い
フリースタンダードプラスEnterprise Grid
月額料金
(1人当たり)
無料960円1800円応相談
年額料金
(1人当たり)
無料1万200円1万9200円応相談
メッセージ
履歴
直近の1万件無制限無制限無制限
ファイル
ストレージ
全体で5GBメンバー1人ごとに10GBメンバー1人ごとに20GBメンバー1人ごとに1TB
作れる
ワークスペース
の数
111無制限
音声通話と
ビデオ通話
1対1最大15名最大15名最大15名
通話時の
画面共有機能
サポートしないサポートサポートサポート

 無料プランと有料プランの大きな違いの一つは保存できるメッセージ数だ。有料プランは無制限だが、無料プランでは1万件までとなっている。