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 建設現場の担い手不足と住宅の高性能化という相反する課題──。それらの解消策として、住宅産業で注目されているのが大型パネル工法だ。前回記事では、大型パネルの受託製作を手掛けるウッドステーション(千葉市)の生産ラインを取材し、工場製作における生産方法と品質確保の工夫をリポートした。今回はその上流過程に焦点を当て、住宅会社や工務店がまとめる設計図書を工場製作のための「施工図」(パネルの製作図)に落とし込むプロセスを紹介する。

建築現場での外壁用大型パネルの建て込み作業。一般的な規模の戸建て住宅なら、建て方からサッシ取り付け、外壁から屋根の防水施工が1日で完了する(写真:大菅 力)
建築現場での外壁用大型パネルの建て込み作業。一般的な規模の戸建て住宅なら、建て方からサッシ取り付け、外壁から屋根の防水施工が1日で完了する(写真:大菅 力)
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パネル製作用「施工図」の例。プレカット図と意匠図をベースに施工図を作製する(写真:日経クロステック)
パネル製作用「施工図」の例。プレカット図と意匠図をベースに施工図を作製する(写真:日経クロステック)
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 大型パネルの施工図作製は、物件の実施設計が確定した段階からスタートする。発注者(住宅会社や工務店など)の設計担当者と、ウッドステーションの担当者が、まずは意匠図をベースに打ち合わせを実施。ウッドステーションの担当者は、いわば協力会社(サブコン)の現場監督に相当し、施工図作製から現場での建て方まで工程を管理する役割を担う。大型パネル工法のキーパーソンだ。

 両者の打ち合わせで建物の躯体(くたい)の設計内容を細部までフィックスした後、発注者が構造材や羽柄(はがら)材をプレカット会社に発注する。屋根まで大型パネル化するなら、「垂木欠き」などの取り合い寸法もあらかじめ決めておく必要があり、ウッドステーションが発注者との打ち合わせを踏まえて詳細図を作製する場合もある。小規模なプレカット会社など、そうした細かい加工に対応できない場合は、ウッドステーション側が加工も手掛ける。

 プレカット会社は発注者のオーダーに基づき、構造材の仕様や配置、仕口や継ぎ手の寸法などをまとめたプレカット図を作製。ここまでは一般的な木造在来工法と同じだが、プレカット図をDXF形式(中間ファイルとしてCADで使われることが多い拡張子形式)でウッドステーションに提供するところから、大型パネル作製独自のプロセスに転じる。ウッドステーションは、DXF形式のプレカット図データをJWW形式(フリーの汎用2次元CADソフト「JW_CAD」の形式)に変換。そのうえで自社開発の施工図作製用ソフト「WSパネル」で読み込む。

 WSパネルは、プレカット図の2次元データに部材の断面寸法など3次元情報を自動的に付与する。木造在来工法は躯体のモジュールが慣習的に整理されているので、外周壁なら壁厚(柱の寸法)が決まれば壁内の他の部材の断面寸法などもおのずから決まる。WSパネルはプレカット図の情報と木造在来工法の決まりごとをベースに、DXF形式の2次元データからオブジェクトごとに認識し、3次元情報を持ったデータに自動変換する。

 国内でプレカットCADのソフトメーカーは主に3社あり、メーカーが違えばデータの互換性は全くない。しかしいずれも、DXF形式でデータを書き出せるという唯一の共通性がある。「WSパネルの手法は遠回りのように見えるが、プレカットCADデータの非互換性に対する唯一の“抜け穴”を突いた方法だ」。ウッドステーションの塩地博文社長は、こう説明する。