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事例3 施設内でのモビリティーとサービスロボットの協調

 施設内における移動に関しては、人の移動を支えるパーソナルモビリティーの実用化が進むとともに、人を代替する自律型サービスロボットの実用化も進展しつつある。

 三菱電機は、施設内のダイナミックマップ(自動運転向けの高精度3次元地図)を用いて、パーソナルモビリティーや自律型サービスロボットと、エレベーターや入退室管理システムといった施設設備を連携制御する技術を開発している。例えば、施設内の狭い通路などでモビリティーやロボット同士が鉢合わせしないよう最適な経路を誘導したり、モビリティーやロボットの通行タイミングに合わせてエレベーターの待機位置を制御したりして、人とロボットが安心して共存できる環境を実現する。

 加えて、足元ではコロナ感染拡大防止に向けて接触防止や3密(密閉、密集、密接)回避のニーズが高まり、サービスロボットの活用や非接触でのエレベーター制御・入退室管理が急速に広がっている。そしてBIMは、これらをうまく協調させるインフラとして役割を高めており、今後の活用可能性は大きい。

モビリティーインフラとしての発展可能性

 3つの事例で見てきたように、BIMとモビリティーの連携によって、目的地における人・モノが安全・安心かつスムーズに移動できる環境が構築できる。そして、この移動環境を基盤として、多様な活動の創出につながることが期待される。

 BIMとモビリティーの連携は、短期的には施設単位での取り組みが中心に進むことが想定される。中長期的には複数施設で互いに連携し合う取り組みが進み、都市スケールでの新たなインフラとして発展する可能性は大きいだろう。

 次回は、都市・公共財という視点からBIM活用の可能性について紹介したい。

北朴木 祥吾(きたほうのき・しょうご)
アーサー・ディ・リトル・ジャパン マネージャー
北朴木 祥吾(きたほうのき・しょうご) 東京大学大学院工学系研究科を修了後、大手鉄道会社を経て、アーサー・ディ・リトル・ジャパンに参画。東京オフィスのTravel & Transportationプラクティスのコアメンバーとして、交通・運輸・ICT業界の企業に対する新規事業戦略の策定支援や、官公庁に対する産業政策の策定支援などを担当。特にモビリティー分野に関するプロジェクトを多数実行。