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 経済産業省と東京証券取引所が2020年8月に発表した「デジタルトランスフォーメーション(DX)銘柄 2020」。「日本の先進DX」といえる受賞企業の事例を厳選して取り上げ、DX推進の勘所を探る。DXグランプリ受賞の1社であるコマツは顧客である建設業者が抱える人手不足の解消に挑む。

 「建設業界全体の生産性を高めるのが『スマートコンストラクション』事業の狙いだ」。コマツの四家千佳史執行役員スマートコンストラクション推進本部長はこう語る。

コマツの四家千佳史執行役員スマートコンストラクション推進本部長
コマツの四家千佳史執行役員スマートコンストラクション推進本部長

 コマツの販売先である建設業は慢性的な労働力不足に陥っている。同社の調べによれば、今後数年で労働者が最大120万人不足する。

 そこでコマツは建設現場の生産性を高め、人手不足の解消を図る。IoT(インターネット・オブ・シングズ)をはじめとするデジタル技術を駆使し、測量ドローンや半自動操縦の建機を開発。これらを使って建設現場や施工を3Dモデルとして把握し、施工シミュレーションによる工事トラブルの回避や緻密な進捗管理などで作業効率を高める。これがスマートコンストラクションだ。

コマツが注力する「スマートコンストラクション」事業の概要
コマツが注力する「スマートコンストラクション」事業の概要
建設現場の生産性を高める(写真提供:コマツ)
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 この取り組みは2015年に始めた。以来、累計で1万を超える現場への導入を経て、2020年4月から4つのIoTデバイスと8つのアプリケーションで構成する適用範囲の広い施工支援サービス「デジタルトランスフォーメーション・スマートコンストラクション」として本格的に国内展開を始めた。

 「建機の自動化など『モノ』のアプローチに加え、施工の各工程間でデータを受け渡して最適化する『コト』のアプローチの両軸で変革を推進している。これによって施工全体の安全性、生産性、環境適応性を飛躍的に高められる」(四家執行役員)。