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 経済産業省と東京証券取引所が2020年8月に発表した「デジタルトランスフォーメーション(DX)銘柄 2020」。「日本の先進DX」といえる受賞企業の事例を厳選して取り上げ、DX推進の勘所を探る。不動産業のGA technologiesは不動産取引のDXに挑んでいる。

 DX銘柄2020で唯一マザーズ市場から選定されたGA technologiesは、IT化が遅れている不動産業界において、デジタル技術を駆使して業務効率化や新規サービスの創出を進めている。

 「日本で一番紙を使っているのが不動産業界といわれるくらいアナログな業界。DXで変えたい」と、樋口龍社長は力を込める。

GA technologiesの樋口龍社長
GA technologiesの樋口龍社長
(撮影:日経クロステック)
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 ITを使った同社のサービスは多岐にわたる。例えば入居希望者が賃貸物件の内見をオンラインで申請し、立ち合い不要で自由な時間に物件を見られるサービスなどだ。スマートフォンで操作するスマートロックの導入によって、入居希望者が部屋の鍵を借りたり不動産会社のスタッフが立ち会ったりする手間をなくした。

 GA technologiesの特徴はIT企業と不動産会社の側面を併せ持つことにある。不動産事業を営みつつ、自社業務のために開発した業務支援システムを他の不動産会社に外販している。

 既に大東建託グループや三井不動産グループなどの大手が同社のシステムを採用した。「不動産業界全体のDXを進めて、市場の活性化につなげたい」(樋口社長)。

 中でも注目なのは不動産投資用ローンの申し込みをオンライン化するプラットフォームサービス「MORTGAGE GATEWAY by RENOSY(モーゲージ・ゲートウエイ・バイ・リノシー)」だ。顧客、金融機関、不動産会社、司法書士をオンラインでつなぎ、煩雑な書類のやり取りを全て電子化。それら全関係者の手間を軽減する。例えばある金融機関は作業時間を7割削減したという。

GA technologiesが提供する不動産投資用ローンの申し込みプラットフォームサービス
GA technologiesが提供する不動産投資用ローンの申し込みプラットフォームサービス
ローン審査のプロセスを効率化
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 「日本における不動産取引のハードルの1つはローン手続きの煩雑さにある。これを効率化して、米国のように不動産取引を活性化したい」(樋口社長)。