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 経済産業省と東京証券取引所が2020年8月に発表した「デジタルトランスフォーメーション(DX)銘柄 2020」。「日本の先進DX」といえる受賞企業の事例を厳選して取り上げ、DX推進の勘所を探る。トプコンは海外ベンチャー企業を買収することで迅速に新技術を取り込み、建設や農業のICT化を進めている。

 トプコンはGNSS(人工衛星を用いた測位システムの総称)による精密な測位技術を活用し、建設機械や農業機械の自動制御システムを提供している。

 建設分野での一例が、2019年に発売した油圧ショベルを自動制御するシステム「3D-MC GNSS ショベル X-53x Auto」だ。同システムはショベルにコントロールボックス、GNSSの受信機、アームの角度を計測するセンサーなどの機器を後付けして使う。施工したい場所にショベルのアームを近づけると、システムがバケットの刃先の高さなどを自動で調整し、経験が浅いオペレーターでも設計通りに施工できるという。

建設機械の自動化システムの一例。設計図通りにショベルの動きを自動制御するという
建設機械の自動化システムの一例。設計図通りにショベルの動きを自動制御するという
(出所:トプコン)
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 農業分野では2~3センチメートルの誤差でトラクターや田植機などを自動操舵(そうだ)するシステムを提供しているほか、肥料散布も自動化している。独自のセンサー「CropSpec」がレーザー光を使い、1つの農場の中で微妙に異なる作物の生育状況を測定する。センサー、自動操舵システム、散布用の農業機械を連動させることで、生育状況に応じた量の肥料を自動で散布できる。

「CropSpec」を使って肥料を自動散布する様子
「CropSpec」を使って肥料を自動散布する様子
(出所:トプコン)
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 建設分野ではクラウド上のプラットフォーム「Sitelink3D」も提供する。測量機や建機など建設現場で稼働している機器をインターネット接続し、測量、設計、施工、検査という一連の建設作業データを集約する。

 プラットフォームによって建設現場の状況をいつどこからでも把握できるのに加え、設計を変更した際、速やかに現場に共有できる。重機ごとの細かいタスク管理機能もあり、建設作業の生産性を向上できるという。