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 割り当てられるIPv4アドレスは年を追うごとに少なくなっている。すでに世界中で枯渇状態となり在庫がなくなる日は近い。IPv4アドレスの現状を把握しよう。

Q5 IPv4アドレスが枯渇したって本当?
A5 世界中で枯渇しています

 IPv4のIPアドレスの枯渇は10年以上前から問題視されている。世界中のIPアドレスの在庫を管理するICANN(IANA)は2011年2月に未割り振りのグローバルIPアドレスが枯渇したと発表した。

 ただしここでいう枯渇とは、IPアドレスの在庫が少なくなり、新規に割り振られるIPアドレス数に制限が設けられること。「通常在庫の枯渇」ともいう。通常在庫が残っているうちは、申請した分だけのIPアドレスを割り振ってもらえる。

 同年4月にはアジア太平洋地域のIPアドレスを管理するAPNICがIPアドレスの枯渇を発表した。日本のIPアドレスを管理するJPNICは独自にアドレスの在庫を保有せずにAPNICと共有している。APNICの在庫が枯渇すればJPNICも同じタイミングで枯渇する。2011年には日本のIPアドレスは枯渇しているのだ。アフリカ地域のIPアドレスを管理するAFRINIC以外のRIRは、すでにIPv4アドレスの枯渇を発表している。

 AFRINICも2020年3月には枯渇すると見込んでいる。

枯渇でも在庫は存在する

 RIRによって「枯渇」の定義にばらつきがある。APNICと欧州地域のIPアドレスを管理するRIPE NCCは、枯渇の定義を在庫が1アドレスブロック「/8」(約1678万個)を切ることとしている。一方、北米地域のIPアドレスを管理するARINと南米地域のIPアドレスを管理するLACNICの定義は「/10」(約420万個)を切ることだ。AFRINICは「/11」(約210万個)を切った状態を枯渇としている。

 APNICは2011年4月の枯渇の発表後、1事業者につき1回のみ、「/22」(1024個)を上限にIPアドレスを割り振っていた。2019年3月からは上限を「/23」(512個)に変更している。

 このように制限することでIPアドレスの在庫が尽きるのを遅らせている。

2021年には在庫ゼロ

 ところがRIPE NCCは2019年11月、IPアドレスが「完全に枯渇した」と発表した。完全に枯渇したとは、IPアドレスの在庫がゼロになった状態を指す。前述の「通常在庫の枯渇」に対して「完全枯渇」などともいう。

 つまり、完全枯渇したRIPE NCCの管轄内でIPv4のIPアドレスを新規に取得するには、割り振り済みのIPアドレスを別の組織から調達するしかない。

 APNICが管理するIPアドレスも完全に枯渇する日が近い。APNICによれば、2021年の初めにIPアドレスの在庫がゼロになると予想している。

IPv4のIPアドレスはすでに枯渇状態
IPv4のIPアドレスはすでに枯渇状態
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