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 PCには、OS(Windows 10)やアプリ、自分で作成したファイルを保存するためのストレージを接続する必要がある。このストレージが高速であればあるほど、Windows 10やアプリの起動が高速になり、ファイルを素早く保存できるようになる。今回はノートPCに搭載されるストレージの種類と、ストレージが利用するインターフェースの変遷を解説していく。

ノートPCでは2.5インチサイズのHDDやSSDを利用することが多いが、最近は基板状の「M.2対応SSD」を搭載するモデルも増えてきた
ノートPCでは2.5インチサイズのHDDやSSDを利用することが多いが、最近は基板状の「M.2対応SSD」を搭載するモデルも増えてきた
(撮影:竹内 亮介、以下同じ)
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保存できる容量が多くて安いHDD、高速で使用感に優れるSSD

 現行のノートPCに搭載されるストレージには、「HDD」(Hard Disk Drive、ハードディスクドライブ)と「SSD」(Solid State Drive、ソリッドステートドライブ)がある。

 HDDはノートPCの登場当初から利用されてきたストレージである。磁性体を塗布した円盤を高速に回転させ、小さなヘッドを使ってその磁性体の磁気情報を変化させることで、データを書き込んだり読み出したりする。現行のノートPCだと、ホームユース向けの低価格なA4サイズのモデルで採用されるケースが多い。

 ただしHDDは、高速に回転するディスクを記録メディアとして利用するうえに、ヘッドとディスクの隙間が非常に狭いこともあり衝撃に弱い。最近のHDDはそうした衝撃からHDDを守るための仕組みを備えているが、それでもちょっとした振動を与えただけで壊れることがある。

HDDの内部では、磁性体を塗布した円盤が高速に回転している
HDDの内部では、磁性体を塗布した円盤が高速に回転している
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 一方でSSDは、持ち歩く機会が多く様々な環境での利用が想定されるモバイルノートPCで搭載例が多い。というのもSSDは、基板に搭載されたフラッシュメモリーチップを記憶媒体として利用する。HDDのように高速回転する円盤や、精密なシーク制御が必要なヘッドを搭載しないため、衝撃に対して強いのだ。

 またSSDは、読み書きが非常に速い。HDDに比べると、「Serial ATA 3.0」という規格に対応するモデルなら約5倍、最新の「NVMe」という規格に対応するモデルなら最大で約50倍に達することがある。

SSDは基板にフラッシュメモリーやコントローラーが組み込まれているだけで可動部分はない
SSDは基板にフラッシュメモリーやコントローラーが組み込まれているだけで可動部分はない
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 両方を利用したことがあるユーザーなら感じているかもしれないが、HDDとSSDでは応答性に大きな違いがある。SSDだとWindows 10やアプリの起動が素早くなり、スリープや休止状態からの復帰も早い。SSD搭載のノートPCを使うと、もうHDD搭載のノートPCに戻れないくらいだ。

 このように使用感が飛躍的に向上することもあり、前述のモバイルノートPCだけでなくゲーミングPCやクリエーターPC、そしてホームユース向けのノートPCも高価格帯のものは、SSDを搭載するモデルが主流になっている。

 ただしSSDにも弱点はある。価格と容量のバランスで言えばHDDの方が優れているのだ。例えば2Tバイトの2.5インチHDDなら実売価格は1万円前後(税込み、以下同じ)であるのに対し、同じ容量のSSDは安いモデルでも2万円から3万円、高性能モデルなら5万円近いこともある。

 そのため、動画ファイルやデジタルカメラの高解像度データなど、大容量のファイルをたくさん保存する用途には向いていない。デスクトップPCは複数のストレージを組み込んでも余裕があるため、Windows 10やアプリをインストールする「システムドライブ」はSSD、大容量データを保存する「データドライブ」はHDD、というように使い分けるのが一般的だ。

 しかしほとんどのノートPCにはストレージを2台組み込むスペースがないため、SSDかHDDかという選択肢を迫られることになる。使用感の違いを考えると、やはりSSD搭載モデルの方がよいだろう。SSDに保存しにくい大容量データは、USB接続の外付けHDDに保存し、利用するときだけ電源を入れるようにすることをお勧めしたい。

システムドライブとしてSSDを搭載するマウスコンピューターの「X4-i5」シリーズ
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