NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」で不正利用が判明した。一部の銀行で預金の不正な引き出しが見つかり、ドコモは連携している全行について新規口座登録を停止する事態に発展した。問題の深層と今後の影響を探る。

「ドコモ口座」不正利用の波紋
目次
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ドコモ口座問題が東急駅の出金サービスに波及、横浜銀のシステム改修で数カ月停止へ
東急電鉄の自動券売機で横浜銀行とゆうちょ銀行の口座から現金を引き出せるサービス「キャッシュアウト」が、2020年9月18日から停止している。停止の原因が、「ドコモ口座」不正利用問題を受けた横浜銀行のシステム改修にあることが2020年9月25日、日経クロステックの取材で分かった。
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ゆうちょ銀行の不正引き出し、被害額が6000万円に拡大
ゆうちょ銀行は2020年9月24日、キャッシュレス決済サービス経由で同行口座からお金が不正に引き出された問題で、同行が確認している被害が約380件、約6000万円(いずれも9月22日時点)に拡大したと発表した。ゆうちょ銀行は現時点で把握している約380件について、10月末までに被害者への補償を終え…
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4000件の問い合わせが殺到、ドコモ・ゆうちょ騒動で地銀大わらわ
ドコモ口座やゆうちょ銀行の不正出金問題で、地方銀行には顧客から確認の問い合わせが殺到している。
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ゆうちょ銀行で2200万円超の不正出金、2要素認証巡り決済側と食い違う主張
ドコモ口座問題に関連し、ゆうちょ銀行でも2200万円超の不正出金が発覚。少なくとも7社の決済サービスとの間で、第三者が不正に口座を連携していた。2要素認証は実装していたが、導入についての認識は決済側と食い違う。
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ゆうちょ銀行提携の1社ウェルネット、269万円不正利用の可能性
キャッシュレス決済サービス「支払秘書」を提供するウェルネットは2020年9月16日、35口座で431万円のなりすましが疑われるチャージ(連携する銀行口座からの入金)があったと発表した。うち162万円は不正対策のシステムにより被害を防止したが、残りの269万円は不正利用された可能性があるという。
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ゆうちょ銀行が不正出金問題で会見、109件1811万円の被害が明らかに
ゆうちょ銀行は2020年9月16日、即時振替サービスと「ドコモ口座」などのキャッシュレス決済サービスを使って不正出金された金額が、これまでに確認された分の合計で109件1811万円になったと発表した。同日開いた会見でゆうちょ銀行の田中進代表執行役副社長は、「預金者の皆様に深くおわび申し上げます」と…
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止まらぬ不正送金問題、LINE Pay・Kyash・メルペイでも被害発覚
銀行口座からキャッシュレス決済サービスへの不正送金(チャージ)問題を巡り、NTTドコモの「ドコモ口座」やソフトバンク系の「PayPay」以外のサービスでも不正チャージが発生していたことが相次ぎ判明している。なかには数十万円の被害例もあり、影響が広がりそうだ。
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ゆうちょ銀行、PayPayやLINE Payなどとの口座連携を停止へ
ゆうちょ銀行は2020年9月15日、2要素認証を未導入のキャッシュレス決済事業者への新規口座登録やチャージを停止する考えを明らかにした。
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ドコモ口座に続きPayPayでも17件、ゆうちょ銀連携の6決済サービスで不正利用
ゆうちょ銀行が決済サービスで連携する12社のうち、NTTドコモを含めた6社で不正利用の被害が生じていると判明した。日経クロステックが2020年9月15日午後7時までに12社に聞き取り取材したところ、PayPayで不正利用があったことが分かった。
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口座不正利用は「ドコモだけでない」、高市総務大臣が明らかに
高市早苗総務大臣が2020年9月15日の閣議後記者会見で、NTTドコモ以外でも不正引き出しの被害が生じていることを明らかにした。対象はゆうちょ銀行が決済サービスで連携する12社の決済事業者のうち、6社という。
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「複数の認証手段を」、ドコモ口座の不正利用を受けて全銀協が銀行に注意喚起
全国銀行協会は2020年9月14日、NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」の不正利用事件を受け、会員銀行に注意喚起したと公表した。Web口座振替を扱っている場合、銀行側には認証の問題がないか、決済サービス事業者側には本人確認プロセスに脆弱性がないかを確認するようにも要請した。
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ドコモ口座の被害額は2500万円超に、新規口座の登録停止後も不正チャージが発生
NTTドコモは2020年9月14日、同社の決済サービス「ドコモ口座」の不正利用問題に関する説明会を開催した。同日午前0時時点での銀行からの申告ベースの被害件数は120件、被害総額は2542万円、不正チャージを確認した銀行数は11行とした。
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大手行や地銀が参加する「Bank Pay」が新規登録を停止、ドコモ口座不正利用の余波
日本電子決済推進機構は2020年9月14日、大手銀行や地方銀行などが参加するQRコード決済サービス「Bank Pay」の新規口座登録の受け付けを停止した。登録時の本人確認に不十分な点があり、セキュリティーレベルを向上させるためという。
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ドコモの開放戦略に死角、被害は73件・2000万円弱に拡大
NTTドコモが電子決済サービス「ドコモ口座」でつまずいた。ドコモの通信回線を契約していない顧客に対する認証に甘さがあり、不正利用を許した。ドコモはポイントを軸に自社の回線契約者以外にもサービスを提供する「開放戦略」を推し進めてきたが、その死角を突かれた。
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ドコモ口座の不正預金引き出しに便乗した迷惑メール、キャリアメール宛てに約30件
迷惑電話や迷惑メールを自動でフィルタリングするサービスを手掛けるトビラシステムズは2020年9月10日、「ドコモ口座」の不正預金引き出しに便乗した迷惑メールが送られていることを確認したと発表した。
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「顧客拡張で認証強化なおざりな面も」と陳謝、ドコモ口座問題でNTT澤田社長
2020年9月11日、日本電信電話(NTT)の澤田純社長はNTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」が不正利用された問題について、報道陣からの質問にコメントした。
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イオン銀行や伊予銀行など17行がチャージ機能停止、不正利用発覚の「ドコモ口座」
NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」の不正利用が発覚した問題で、「ドコモ口座」へのチャージ(送金)機能を一時停止する措置をとる銀行が相次いでいる。
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ドコモ口座へチャージ停止の地銀が13行に、「サービス継続」うたうドコモと温度差
NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」の不正利用が発覚した問題で、銀行側で「ドコモ口座」へのチャージ(送金)機能を一時停止する動きが広がっている。
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NTTドコモが「ドコモ口座」不正送金で会見、チャージなどサービスは継続
NTTドコモは2020年9月10日、電子決済サービス「ドコモ口座」への不正チャージ(送金)問題に関する初めての記者会見を開催した。この中で同社は、被害件数が66件、被害総額が約1800万円となったことを表明。被害者に対し、銀行と連携して全額保証するとしている。
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「ドコモ口座」不正被害額は約1200万円に、りそな銀の経験生かせず
NTTドコモが不正利用の発覚を受け、電子決済サービス「ドコモ口座」で全35行の新規口座登録の停止に追い込まれた。ドコモはSMSを使った2段階認証の導入など対策の強化を打ち出したが、再開時期は見通せない。2019年にりそな銀行で同様の被害があったにもかかわらず、当時の経験を生かせなかった。