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 NTTドコモの決済サービス「ドコモ口座」と連携した銀行口座で不正出金が相次いでいる問題で、ドコモ口座に加えて「LINE Pay」や「PayPay」など他の決済サービスとの連携も停止する地方銀行が増えている。地方銀行のホームページには「不正出金」「チャージの停止」といった文言が並ぶ。

地方銀行ホームページのトップ画面には不正な引き出しへの注意喚起の文字が並ぶ(出所:七十七銀行(左)、中国銀行)
地方銀行ホームページのトップ画面には不正な引き出しへの注意喚起の文字が並ぶ(出所:七十七銀行(左)、中国銀行)
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 その1つである滋賀銀行では、2020年9月16日からドコモ口座に加えて「J-Coin Pay」「pring」「PayB for 滋賀銀行」「PayPay」「メルペイ」「LINE Pay」「楽天Edy」という7つの決済サービスとの連携を停止した。同行では一連の不正出金問題で7件200万円の被害が判明している。いずれもドコモ口座への不正出金であるが、「安全を確保するため」(広報)として他のサービスとの連携も停止した。ドコモ口座のみで10件245万円の被害が出ている紀陽銀行も同様に連携を停止するなど、地銀各行が一斉に動いている。

 背景には、不正出金問題が社会の大きな関心事になったことがある。2020年9月10日にNTTドコモが、9月16日にゆうちょ銀行がそれぞれ記者会見を実施し、不正な引き出しで被害が生じていることや決済サービスと連携していない銀行口座も被害に遭う可能性があることなどの認識が広がった。各銀行は連携停止で被害の拡大を食い止めつつ、2要素認証の導入というセキュリティー強化を急ピッチで進めている。仙台銀行や上述の紀陽銀行はIVR(自動応答音声)を使った2要素認証の導入を進めており、両行とも早ければ9月30日にも導入が完了する予定だ。

 地方銀行は粛々と対処しているという印象を受ける一方で、各行の現場はこの騒動の思わぬ影響を受けている。