ベッドタウンとして人気を集めている千葉県印西市は、IT業界では大規模なデータンセンター(DC)が集う「DC銀座」として知られている。さらに現在、海外の大手クラウド事業者の需要を見越した「ハイパースケール」向けのDCが続々と新設されている。あまりの需要の多さに、電力会社も電力供給の増強へと動き出した。
千葉ニュータウンを擁する印西市は、自然豊かな環境が残っていることやショッピングセンターなど大型商業施設があることなどを理由に、住みよい街のランキングで上位に名を連ねることも多い。
しかしIT業界では、ベッドタウンとは別の顔を持つことで知られている。大規模なデータセンター(DC)が集積する「DC銀座」だ。米Amazon Web Services(AWS)などのDCがある場所として「INZAI」の地名は世界に知れ渡っている。
しかも最近は、北総鉄道・京成電鉄の千葉ニュータウン中央駅の周辺で、海外の大手クラウド事業者の需要を見込んだ「ハイパースケール」と呼ばれる大規模な郊外型DCの建設が相次いでいる。
DC特有の窓の少ない巨大ビルの建設が相次ぐ千葉ニュータウン中央駅周辺の様子を、まずは写真で紹介しよう。
上の写真は千葉ニュータウン中央駅周辺で建設されているDC向けの建物だ。事業主は「三井不動産」で、工期は2020年9月30日までとなっている。
上の写真は同じく千葉ニュータウン中央駅周辺で建設されているDC向けとみられる建物。建築主は「Inzai Development合同会社」で、工期は2021年1月12日までとなっている。
上の写真も千葉ニュータウン中央駅周辺で建設されているDC向けとみられる建物だ。建築主は「エクイニクス・ジャパン」で、工期は2020年8月31日までとなっている。
上の写真は千葉ニュータウン中央駅周辺で建設されているDCの工事現場だ。鉄骨の組み立てが進んでいる。建築主は「デジタル東京1特定目的会社」で、工期は2021年8月下旬までとなっている。
現在、印西でのDC新設を明らかにしているのは、英Colt Group(コルトグループ)のColtテクノロジーサービス、米Digital Realty Trust(デジタル・リアルティ・トラスト)と三菱商事の合弁会社であるMCデジタル・リアルティ、米Google(グーグル)などである。また建設現場の状況から三井不動産と米Equinix(エクイニクス)がDCを新設中であることが分かった。まだ公表はしていないものの、印西への進出が噂されるDC事業者も存在する。各社の取り組みを詳しく見ていこう。