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 東京都がデジタルトランスフォーメーション(DX)に突き進んでいる。2020年度を東京都のデジタル変革に着手する「スマート東京元年」と位置付け、2月に「スマート東京実施戦略」を発表。公共施設や都民サービスのデジタルシフト、公共施設から都民サービス、行政システム、都職員の働き方まで、都の様々な取り組みをデータとデジタル技術の活用を通じて変革する。

 日経クロステック EXPO 2020には小池百合子都知事が登壇し、東京都が進めるDXを解説する。いま東京都がDXに取り組む理由や目指すべき姿、具体策として整備を進める様々なデジタル化を披露する。

 都はスマート東京実施戦略の下、3つの「シティ」によって都民のQoL(生活の質)を高めるとしている。災害時の気象や被害の状況をいち早く把握し、被害の軽減や早期復旧を図る「セーフシティ」、地域や年齢、言語を問わず行政サービスを受けられる「ダイバーシティ」、便利で快適な生活サービスを充実させる「スマートシティ」である。

 官民でデータを共有・活用するためのインフラ「TOKYO Data Highway」も整備する。「5G」のネットワークを整備し、いつでも誰でもどこでも高速の無線インターネットにつながれるようにする。21世紀の基幹インフラとして、データが行き交う電波の道を作る計画だ。

 都庁自体のデジタルシフトも進める。ネット経由で行政手続きを可能にしたりキャッシュレスで納税できるようにしたりする。役所に行かなくても、ペーパーレス・非対面で行政手続きをできるようにする考えだ。

 一連のデジタル変革を推進するため、都はヤフー前社長の宮坂学氏を副知事に招いた。宮坂副知事の指揮下、新型コロナウイルス対策Webサイトを2020年3月に開設。情報の分かりやすさや裏側のシステム開発体制など、従来の行政らしくない成果として注目を集めた。

 一連の施策を東京都の一部で先行し、都全体に広げ、さらには取り組み事例のノウハウを全国と共有し日本全体に波及させるという。小池知事自ら語る「東京DX」の全貌は必見だ。

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