「宇宙に関連したビジネス」といわれると、大抵のビジネスパーソンは関係ないと思えるだろう。いかにも壮大で、巨額の開発費がかかるように思えるからだ。
確かに、ロケットを飛ばしたり、衛星を作ったりといったビジネスには、なかなか関われない。しかし、既にある衛星のデータや宇宙を活用したシステムを活用するという観点に立てば、宇宙とビジネスはそれほど遠くない。一番身近なのは、スマートフォンにも搭載される全地球測位システム(GPS)による位置情報である。地球の軌道上の衛星からの時刻情報を基に、3次元の位置情報を得られるわけだが、最近では、GPSの受信機をものや人に装着し、物流はもちろんのこと、スポーツの分野や農業の分野で使われ始めている。
これまで政府や大企業が独占していた衛星からの観測情報にもオープン化の動きがある。例えば、米Google(グーグル)は「Google Earth Engine」、経済産業省は「Tellus(テルース)」というプラットフォームを介して地形や赤外線写真、地表の温度、窒素酸化物(NOx)や二酸化炭素(CO2)などの各種ガス濃度などを利用・解析できる。
つまり、アイデア次第では、宇宙を活用したビジネスを生み出せる状況が整いつつあるのだ。そこで日経クロステック EXPO 2020では、自ら宇宙からのデータの利活用を実践する慶応義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科 教授の神武直彦氏に「あなたにもビジネスチャンス、宇宙IoT活用のススメ」と題して講演いただく。例えば同氏は、発展途上国において、衛星画像から農地の収穫高の予測などを行うことで、農家の将来収入を予測し、お金を貸し出すプロジェクトを実施している。

2020/10/16 (金) 12:20 ~ 12:50
慶應義塾大学 システムデザイン・マネジメント研究科 教授
神武 直彦 氏
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