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 インターネット以来の革新的技術と期待されながら、大規模な商用活用で足踏みを続けてきたブロックチェーン技術が、2020年にいよいよ花開きそうだ。キラーアプリとして期待を集めているのが、「STO(セキュリティー・トークン・オファリング)」。従来、証券化するにはコストが合わなかった資産を、セキュリティートークン(デジタル証券)として発行・流通させる仕組みだ。

 先陣を切ったのが、野村ホールディングス(HD)と野村総合研究所(NRI)の合弁会社であるBOOSTRYである。同社が構築した独自のブロックチェーン基盤「ibet」を活用し、2020年3月にはNRIが2種類のセキュリティートークンを発行した。トークン化の対象にしたのは、社債である。

 BOOSTRYの佐々木俊典代表取締役社長は、「社債が最もセキュリティートークン化しやすく、メリットが引き出しやすい」と語る。従来、社債は転売されると償還まで保有者を追跡できなかった。ブロックチェーン技術を活用すれば、それが可能になるため、継続的な付き合いやサービス展開につなげられるからだ。

デジタルでも業界をリード

 証券最大手の野村証券を抱えておきながら、野村HDがいち早くSTOの実用化に乗り出した背景には、新たなビジネスチャンスが眠っていると判断しているからだ。低コストでの証券化が可能になれば、商品ラインアップが多様化する。資金調達側の需要が活性化するだけでなく、新たな投資家層の発掘にもつながり得る。ライバルも次々と動き出すなか、野村HDはデジタルの世界でも証券業界をリードすることを狙う。

 日経クロステック EXPO 2020にはBOOSTRYの佐々木社長が登壇し、STOが秘める可能性や同社の戦略について、詳しく講演する。ぜひ、ブロックチェーンを巡る最新動向をキャッチアップいただきたい。

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