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 製造業におけるビジネスは重大な転機を迎え、コロナ以前の状況に戻ることはないといわれる。ニューノーマル(新常態)の中での生活やビジネス、働き方が提唱される中でDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入検討は急加速しており、それはもはや町工場も例外ではない。日経クロステック EXPO 2020の2020年10月19日午後5時35分からのオンラインセッションでは中小製造業においてDXやIoT活用に極めて意欲的な2社の代表が登壇、ニューノーマルにおける中小製造業の在り方を議論する。

由紀精密(左)とCreative Works(右)の生産現場
由紀精密(左)とCreative Works(右)の生産現場
(出所:由紀精密、Creative Works)
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 登壇する1人は、由紀精密代表取締役社長の大坪正人氏。同社は「研究開発型町工場」として知られ旋盤加工を得意とする。大坪氏は大学卒業後に、3次元データを駆使したラピッド製造で知られていた金型メーカーでの開発職に6年従事。その後、当時は倒産寸前であった由紀精密に入社し、2013年に社長就任。大手企業依存の下請け中心の体制から、宇宙開発や自社製品開発案件の新規開拓に戦略的に取り組むことでV字回復させた。新領域では、長年育んだ技術力を存分に生かしている。このコロナ禍では、開発部門をリモートワークにシフトさせながら、ステイホームの「巣ごもり需要」を見据え、1台200万円の高級アナログプレーヤーを市場投入した。

 もう1人は、Creative Works代表の宮本卓氏である。宮本氏は大学卒業後に大手鉄鋼メーカーの研究職に7年間従事した後に、実家の旧・宮本工業所に戻り、後に代表となって自社事業をリニューアル。先代は医療関係機器などの受託製造を中心に手掛けていたが、宮本氏の代では溶接をメインとする金属加工業にシフト。都内金属加工業の協働ネットワーク「東京町工場ものづくりのワ」への取り組みや、溶接職人の育成などにも携わる。さらに一般のビジネスパーソンや学生による民間宇宙開発団体「リーマンサット・プロジェクト」にも参画。コロナ禍では、溶接職人の現場作業を在宅ワークに切り替えて運用する取り組みで注目を集めている。

 両社とも戦後まもなくに創業し、高度経済成長からバブル崩壊、リーマン・ショック、そしてコロナ禍と、激動の時代を過ごしてきた。またいずれの代表も、他社での技術者経験を数年経た3代目経営者であり、先代からのビジネスを大きく変えつつ、デジタルやIoT活用へ意欲的に取り組んできた。そんな共通点のとても多い2人が、この対談で出会う。

 せっかく軌道に乗った航空宇宙分野向け事業の需要が吹き飛ぶのを見た大坪氏はどう考えたか。溶接職人の出勤をやめさせた宮本氏はどうやってものづくりを続けたか。日経クロステック/日経ものづくりの副編集長である吉田勝が聞き手となり、新型コロナウイルス感染症拡大時の影響と対応、アフターコロナへの備え、新規分野の開拓、DXの推進といったトピックについて話していただく。

 DXやIoTへの取り組みは、大手企業に限られたものではない。国内製造業の8割を占める中小企業が、現状打破とポストコロナ時代の対応に向け、今、どう取り組むべきか。2人の対話から大きなヒントが得られるはずだ。

由紀精密&クリエイティブワークス、町工場で始まるアフターコロナ

2020/10/19 (月) 17:35 ~ 18:05
由紀精密 代表取締役社長  大坪 正人 氏
Creative Works 代表  宮本 卓 氏
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