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 1879年、日本初の保険会社として創業した東京海上日動火災保険。現在は東京海上グループとして、世界46の国と地域で事業を展開している。日本国内で2年続けて台風や豪雨といった大規模な自然災害が発生する中、迅速かつ正確な損害確認や保険金の支払いに向けて社員の生産性向上や働き方改革の重要性はますます高まっている。

 同社が働き方改革へ本格的に取り組み始めたのは2008年のことだ。業務革新プロジェクトとして、商品や事務、システムを簡素化して業務プロセスをよりシンプルにする取り組みを推進。2015年ごろからは人工知能(AI)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、タブレット端末といったデジタル技術を活用し、業務の自動化や紙書類の削減を進めてきた。

 2017年には全社員を対象にしたテレワーク制度を導入した。自宅にパソコンがない社員のためにモバイル端末を1万台導入し、自宅でできる業務を増やすためクラウドサービスを積極的に取り入れた。「朝オフィスにいないと気まずい」といった社内の雰囲気を改める「挑戦推進運動」も進めるなど、技術にとどまらない環境整備を進めてきた。

AIでドラレコ映像を解析、効率化とサービス品質向上の両立へ

 今後もデジタル技術を活用し、効率化や省力化にとどまらない働き方改革に取り組む考えだ。例えば契約者のドライブレコーダー映像解析にAI技術を活用。事故時の映像から事故状況を再現したり責任割合を算定したりする業務を支援する。同社の担当者の業務を効率化すると同時に、契約者向けのサービス品質を高める。

 日経クロステック EXPO 2020には人事企画部部長兼企画組織グループリーダーの吉田昌弘氏が登壇し、同社の働き方改革の歴史や狙い、現在進行している「人の力とデジタルのベストミックス」を目指した数々の取り組みを紹介する。新型コロナ禍が一変させた私たちの働き方のあるべき姿は何か。そのヒントを探れるに違いない。