パソコンとスマホやタブレットも併用するシーンが増えてきており、端末を横断してファイルを扱えるクラウドストレージのサービスを利用するシーンも目立つようになってきた。ただ、クラウドストレージはとても便利である一方で、初期状態のままパソコンから使うと思わぬ落とし穴にはまることがある。
例えば、内蔵ストレージのひっ迫だ。パソコンとクラウドストレージでファイルを同期すると、パソコン内蔵のローカルドライブにもファイルが保存される。そのまま使い続けていると、ローカルドライブの空き容量不足といったトラブルにつながることがある。このトラブルはディスクのクリーンアップなどの対処方法で解決できず、どこに問題があるかを特定できず悩んでしまうこともある。
同期に失敗するトラブルも少なくない。クラウドストレージに保存したファイルを必要なときに開けなければ、業務に支障をきたす可能性がある。今回はこのようなクラウドストレージに関連する内蔵ストレージのひっ迫や、同期に関するトラブルの対処方法について解説する。
ローカルに保存されているOneDriveのファイルをオンライン専用にする
OneDrive(個人用)やDropboxなど代表的なクラウドストレージでは、クラウドとパソコンの間でファイルを同期するためのアプリを提供している。このアプリを使うと、クラウド上にあるファイルをエクスプローラーで操作できるようになり、利便性が大きく向上する。しかし開いたファイルはローカルに保存されるため、パソコンの内蔵ストレージをひっ迫する大きな要因となり得る。
OneDriveには、内蔵ストレージのひっ迫を防ぐために「ファイル オンデマンド」という機能が用意されている。これは、普段使わないファイルを内蔵ストレージから削除して、オンライン専用にする機能である。ファイルは、内蔵ストレージから削除されるがクラウド上には残っており、エクスプローラー上にも表示される。必要なときにファイルを開けば、内蔵ストレージにファイルがダウンロードされて利用できるようになる。
OneDriveのファイルが内蔵ストレージにも保存されているかどうかはファイル名の先頭にあるアイコンで確認できる。
使わないOneDriveのファイルを自動的にオンライン専用にする
OneDriveのファイル オンデマンドでは、一定期間開かなかったファイルを自動的にオンライン専用へ変更することが可能になっている。意識しなくても内蔵ストレージの容量を確保できるので非常に便利だ。ただしこの機能は初期設定でオフになっているため、使う場合は事前に設定を変えておく必要がある。OneDriveを使っている人はオンにしておくのがお勧めだ。
ローカルに保存されているDropboxのファイルをオンライン専用にする
代表的なクラウドストレージであるDropboxにも、未使用のファイルをオンライン専用にする「スマート シンク」機能が用意されている。この機能は、有料のDropbox Plus、Family、Professional、Businessプランを使っているユーザーが利用できる。
使い方はOneDriveのファイル オンデマンドとほぼ同じだ。指定したファイルを内蔵ストレージから削除して、オンライン専用にできる。また普段使用しないファイルを自動的にオンライン専用にする「ハードドライブの容量を自動で節約」という機能も使える。ただしオンライン専用にする日数は設定できず、機能のオン/オフの切り替えだけになる。