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 CLT(直交集成板)の特性を生かした木造架構が増えている。マウントフジアーキテクツスタジオが設計した「ROOFLAG(ルーフラッグ)賃貸住宅未来展示場」もその1つ。高さ2.3mのCLTの梁(はり)を格子状に組んだ巨大な庇(ひさし)のような架構が、大きなアトリウムをすっぽり覆う。

 東京・東雲に2020年6月、大東建託の「ROOFLAG賃貸住宅未来展示場」がオープンした。建物のエントランスを兼ねたアトリウムを、CLTで組んだ巨大な架構が覆う。高さが2.3mあるCLTの梁を128枚組み合わせて、斜辺の長さが56.5mの直角三角形の架構を形成。その直角三角形全体を、北向きに傾けて架け渡している。ダイナミックな木の架構は、ファサードの全面ガラスを透かして前面道路からもよく見える。

1階のアトリウムを、スギ材のCLTの架構が覆う。最も長い道路沿いの架構のスパンは56.5m。北向きの傾斜で、CLTの梁の高さが2.3mあるので、上からの直射は遮りつつ光を取り入れる(写真:安川 千秋)
1階のアトリウムを、スギ材のCLTの架構が覆う。最も長い道路沿いの架構のスパンは56.5m。北向きの傾斜で、CLTの梁の高さが2.3mあるので、上からの直射は遮りつつ光を取り入れる(写真:安川 千秋)
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北東から見た全景。波板ガラス張りの屋根を北向き傾斜で架けた。「街に屋根の風景があることは大事だと考えた」と設計者の原田真宏氏は話す。来場者の多くはこの方向からアプローチする(写真:安川 千秋)
北東から見た全景。波板ガラス張りの屋根を北向き傾斜で架けた。「街に屋根の風景があることは大事だと考えた」と設計者の原田真宏氏は話す。来場者の多くはこの方向からアプローチする(写真:安川 千秋)
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配置・1階平面図
配置・1階平面図
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 「大判のCLTは、剛性の高い大断面の梁として使える。部材の面内剛性が高いから、部材同士も剛に近い接合強度でつなぐことができ、大スパンの架構が可能になる」。この建物を設計したマウントフジアーキテクツスタジオ(東京・渋谷)共同主宰で、芝浦工業大学教授の原田真宏氏は、CLTの大架構を着想した背景をそう説明する。