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 米Apple(アップル)が2020年9月15日(米国西海岸時間)にイベントを実施し、iPadおよびApple Watchの新モデルと、新しいサブスクリプションサービスを発表した。例年、秋のイベントではiPhoneの新モデルが発表されており今年も注目されていたが、結局iPhoneは発表されなかった。恐らく10月ごろの発表へと延期になったとみられる。

 個人的に、新しいiPadとApple Watchの注目点は、コストパフォーマンスの高さだと思っている。廉価版であるiPadの第8世代は、価格据え置きで性能が高くなっている。そしてApple Watchには、廉価版のSEが登場した。タブレットとスマートウオッチはどちらもAppleが大きなシェアを持っている。さらにエントリーユーザーも取り込もうという戦略が見て取れる。

長く使えるかもしれない?第8世代のiPad

 これまでの最廉価iPadは、iPadの第7世代モデル(「10.2インチiPad」と呼ぶこともある)で、3万4800円から(以下、価格はすべて直販の場合で税別)だった。CPUは当時既に最新世代ではなかった「A10 Fusion」を搭載し、コストを抑えていた。価格を考えれば妥当な性能と言えるだろう。

 第8世代のiPad(同じく「10.2インチiPad」と呼ぶことがある)の価格は3万4800円からで、第7世代と同じだ。本体は第7世代と同様ながらCPUは「A12 Bionic」へと変更されている。iPad Pro現行モデルのCPUが「A12Z Bionic」である点を踏まえると、Appleが「パフォーマンスが大幅に向上」と説明しているのもうなずける。同社によると、CPUパフォーマンスが40%高速化したという。

 この進化によって、動作要件が厳しいゲームを楽しみたい人にもお薦めできるようになった。ゲームや動画編集といった負荷のかかる作業をしない人も、恐らく快適に使える期間が長くなるというメリットを享受できるだろう。末永く使うことを考えると、ストレージは32Gバイトではなく128Gバイトを選ぶことをお勧めしたい。

第8世代のiPadは、CPUにA12 Bionicを採用し、大幅に性能を向上させている。なおApple Pencilは別売りのオプションである
第8世代のiPadは、CPUにA12 Bionicを採用し、大幅に性能を向上させている。なおApple Pencilは別売りのオプションである
(出所:米Apple)
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