
2020年夏、あるAI(人工知能)が世界中で話題になった。米オープンAIが発表した文章生成AIの「GPT-3」だ。GPT-3が書いた偽ニュースは、人間が書いた文章と見分けが付かなかった。それだけではない。機械学習プログラムのコードやWebページのレイアウト、SQLクエリー、楽譜など、GPT-3は様々な種類の文章を生成してみせたのだ。利用にはスーパーコンピューター級のITインフラが必要という弱点はあるが、それも数年内には解決される可能性が高い。魔法のような最新AIの正体に迫ろう。
2020年夏、あるAI(人工知能)が世界中で話題になった。米オープンAIが発表した文章生成AIの「GPT-3」だ。GPT-3が書いた偽ニュースは、人間が書いた文章と見分けが付かなかった。それだけではない。機械学習プログラムのコードやWebページのレイアウト、SQLクエリー、楽譜など、GPT-3は様々な種類の文章を生成してみせたのだ。利用にはスーパーコンピューター級のITインフラが必要という弱点はあるが、それも数年内には解決される可能性が高い。魔法のような最新AIの正体に迫ろう。
出典:日経コンピュータ、2020年10月1日号 pp.50-56
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文章生成AI「GPT-3」は、モデルのパラメーターと学習データ量を巨大にするだけで、生成する文章の水準が向上した。威力を見せつけたGPT-3だが、弱点も大きく3つ存在する。
オープンAIが2020年6月に公開したGPT-3は、文章の「言語らしさ」を予測する「言語モデル」と呼ばれるAI技術だ。GPT-3に短い文章を入力すると、それに対応する新しい文章を生成する。例えばニュース記事のタイトルとサブタイトルを入力すると、それらにマッチする偽ニュース記事の本文が生成される。