大手生命保険会社の第一生命保険がAI(人工知能)などを駆使したデジタル変革(DX)をコロナ禍で加速させている。

 まずは営業職員によるオンライン販売だ。2021年3月から5月にかけて全国の営業職員4万人にスマホを配布し、保険商品の提案から契約までをオンラインで完結できる体制を整える。「非対面」でありながら営業職員が顧客をサポートできるようにする。

 さらに保険商品の提案にAIを活用する。富士通と共同で、過去に生涯設計デザイナーが作成した1700万件の保障設計データを学習させたAIを使って、顧客に保険提案できるシステムを構築し、2020年7月3日に単独特許を出願した。

 2020年9月までに基幹システムも刷新した。顧客情報や契約情報のデータ分析機能や他のクラウドサービスと連携するためのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)などをクラウド上に構築。長期スパンの契約データを持つメインフレームとクラウドをうまく組み合わせたアーキテクチャーで、金融庁の「基幹系システム・フロントランナー・サポートハブ」に選ばれた。

 1日あたり約7万枚の書類やイメージなどの目視点検を支援するAIOCR(AIと光学的文字認識を組み合わせた技術)基盤も2020年7月に導入した。目視での書類点検や記載内容の入力業務などについて、4割の効率化を見込む。医療機関の診断書など非定型帳票も含めてAIの「確信度」という機能を取り入れた。

 従来の営業職員による顧客サポートという強みは残しつつ、オンライン契約やAIによる保険商品提案、コストを抑えたDXの基盤となる基幹システム刷新、独自のAIOCRなど生保の新常態(ニューノーマル)に挑む第一生命の施策に迫る。