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 「新たな産業クラスターの構築を目指したい」─。ファクトリーエージェント(東京・中央)代表取締役社長に転じた上出武史氏はこう意気込む。同社は、大手企業、研究機関などと中小の加工会社、町工場を中心としたサプライヤーを「マッチング」するサービス「ファクトリーエージェント」(以下、FA)を提供する。試作や業務用機器など向けの小ロット部品製作や加工を依頼したい「発注者」と、中小の町工場など「受注者」を仲介する。見積もりの依頼から候補会社の選定、各社の提案の比較・選定、発注、検品、支払い、手配までの一連の処理が全てFAのWebサイト上で完結する利便性が売りだ(図1、2)。

図1 マッチングサービスの流れ
図1 マッチングサービスの流れ
発注者が必要な部品の図面や仕様を登録すると、FAが適切な業者を2、3社選出して見積もりを依頼する。発注者は見積もりを提出した企業とチャットでのコミュニケーションができる他、発注後も適宜、製造工程に応じたステータス管理が可能という。(出所:ファクトリーエージェント)
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図2 見積もり依頼の入力画面
図2 見積もり依頼の入力画面
(出所:ファクトリーエージェント)
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 FAはジェイテクトが新規事業の1つとして2018年秋に立ち上げた*1。20年8月には、ものづくりスタートアップの育成や支援などにも力を入れる浜野製作所(東京・墨田)と提携。ジェイテクトグループの協力会社のネットワークを活用しながら、浜野製作所が持つ町工場の知見をマッチングに生かし、本格展開に動き出した。現状は板金とプレス加工のみに対応するが、研削や切削といった他の加工法にも今後対応を加速していく計画だ。

*1 当初はジェイテクトの工作機械事業と親和性の高いWebサービスなどを想定していたが、新事業立ち上げのために採用された上出氏らが、事業性の高い加工のマッチング事業への転換を訴え、現在の事業形態となった。