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 エクサウィザーズの大植択真取締役は2020年10月15日、日本企業はデジタル技術を使った変革にすぐ着手するだけでなく、企業戦略まで抜本的に見直す必要があるとオンラインイベント「日経クロステック EXPO 2020」の講演で指摘した。エクサウィザーズは介護支援や人材管理などの分野でAI(人工知能)のビジネス応用を推進するスタートアップ企業。

 講演のテーマは、日本企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の現状と取るべきアクションを見据えた「アフターコロナ時代の次世代型DX実現」。

 大植取締役は冒頭、2020年5月に日本企業約300社を対象に行った同社アンケート調査の分析結果を紹介した。分析によれば、コロナ禍で4割以上の企業がリモートワーク導入など「目先の対応」(大植取締役)に留まっている一方、約1割の企業は中長期的な計画策定や戦略の見直しにまで踏み込んでDXを進めているという。アフターコロナに向けた取り組みに関しては「勝ち組と負け組の差が早くも開きつつある」(同)。

講演するエクサウィザーズの大植択真取締役
講演するエクサウィザーズの大植択真取締役
撮影:日経クロステック
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 大植取締役はアフターコロナで企業が直面する変化として「ディスタンス」「マインド」「ビジネス」の3つの視点を紹介。人々の距離に対する捉え方が変わるのに伴って消費行動や関心も急激に変化、ビジネスの在り方も変わってくる。中国では既にECを筆頭に、遠隔医療など新しい業種が爆発的な成長を遂げている。

 こうした変化が進んだアフターコロナでは、既存の経営戦略が機能せず企業の優勝劣敗が一気に進む可能性があるという。デジタルで先行する企業は1週間ごとに新しいサービスを生み出すなど展開スピードが非常に速い。

 DXを進める際の参考になるとして大植取締役が取り上げたのは、台湾当局が進める行政のデジタル化だ。30代と若いオードリー・タン(唐鳳)氏をデジタル担当政務委員(閣僚級)に据える思い切った抜てき人事、部門横断型の組織、外部開発チームを活用したオープンイノベーション型の迅速な開発体制など、台湾の取り組みは「(DXを目指す)企業の運営にも示唆が多い」(大植取締役)という。