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 NTT東日本のビジネス開発本部特殊局員の登大遊氏は2020年10月13日、「新型コロナウイルス対策『シン・テレワークシステム』おもしろ開発秘話」と題して、オンラインで開催された「日経クロステック EXPO 2020」で講演した。日本のICT人材不足の課題や、「シン・テレワークシステム」の開発の裏側について語った。同システムは登氏が2週間で開発。NTT東日本と情報処理推進機構(IPA)が2020年4月から無償で提供しており、10月14日時点で8万人以上が利用する。

NTT東日本のビジネス開発本部特殊局員の登大遊氏
NTT東日本のビジネス開発本部特殊局員の登大遊氏
(撮影:陶山 勉)
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 登氏はOSやクラウド、通信、セキュリティーといったICT分野の技術・サービスを生み出せる人材が日本で不足している課題を指摘。米Amazon Web Services(AWS)といったクラウドサービスや米MicrosoftのOS製品群「Microsoft Windows」、米Oracleの「Oracle Database」を「使う」ICT人材は日本に多くいるが、こういったサービスを「作る」人材をいかに育成していくかが重要と話す。

 そのために登氏は「若手技術者がコンピューター・ネットワークの実験環境を自ら構築し、その環境の上で自由に技術開発できるように推奨、少なくとも黙認すべきだ」と強調した。そうすればおのずと技術者が育ち新サービスも生まれ、結果として企業や行政、安全保障など様々な分野での課題解決につながるとする。

 新型コロナ禍でシン・テレワークシステムを開発した登氏は、2018年よりIPAサイバー技術研究室長を務め、2020年4月にNTT東日本に非常勤社員として入社した。同システムは経済産業省所管のIPAと総務省系のNTT東日本が連携した「大変珍しい事業」(登氏)。今後は同事業のようにITと通信の敷居を作らず、組織の壁を越えて協力する体制が求められるとした。