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 日清食品ホールディングスの西村太輔情報企画部係長は2020年10月15日、オンラインで開催している「日経クロステック EXPO 2020」で、基幹システムのクラウド移行事例について講演した。

「日経クロステック EXPO 2020」で講演する日清食品ホールディングスの西村太輔情報企画部係長
「日経クロステック EXPO 2020」で講演する日清食品ホールディングスの西村太輔情報企画部係長
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 同社は2019年9月、欧州SAPのERP(統合基幹業務システム)である「SAP ERP 6.0」を中心としてオンプレミス環境で運用していた基幹システムを、米Microsoft(マイクロソフト)のパブリッククラウドサービス「Azure」上へと移行した。以前からOSやミドルウエアで同社製品を多数使っていたこともあり、クラウドサービスもAzureを採用して安定稼働を目指したという。

 クラウド移行の契機はハードウエアやOSのサポート切れが迫っていたことだった。「ERP自体は使い続けつつ、できるだけ低コストで基盤を入れ替えたかった」(西村係長)。

 2018年11月に始まった移行プロジェクトは順調に進み、約10カ月後の2019年9月に完了した。その後2020年10月まで、SAP ERPは障害もなく動き続けているという。使った分だけ支払えばよいクラウドの特性を生かすなどして、年間約600万円のランニングコスト低減にもつなげている。

 ERP稼働から時がたつにつれてデータ量が増え、災害対策時などにバックアップデータの復元に時間がかかるようになってきた問題も同時に解決しようとした。クラウド上のデータ同期機能などを活用し、従来約50時間かかっていたシステム復旧のための切り替え時間を約5時間まで短縮できたという。

 西村係長は「既存システムを単にクラウドに移行するだけではなく、運用の手順や体制を同時に見直したことで、サービスレベル向上とコスト削減を両立できた」と話した。