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 「作業の半分はロボットと、管理の半分は遠隔で、全てのプロセスをデジタルに」を合言葉に、建築生産プロセスのデジタル化と、顧客への新たな価値の提供を目指すスーパーゼネコンの鹿島。「デジタルトランスフォーメーション(DX)銘柄 2020」にも選ばれた同社の取り組みが示唆するのは、建設現場のリモートワーク、つまり「リモートコンストラクション」が当たり前になる時代の到来だ。

 2020年10月20日、鹿島で建築管理本部副本部長を務める茅野毅執行役員は「日経クロステック EXPO 2020」の講演で、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を基盤に構築したデジタルツインの活用事例を披露した。

鹿島で建築管理本部副本部長を務める茅野毅執行役員(資料:日経クロステック)
鹿島で建築管理本部副本部長を務める茅野毅執行役員(資料:日経クロステック)
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 デジタルツインが最初に活躍するのは、建築の企画・設計フェーズだ。茅野執行役員が紹介した一例が、建物内の気流シミュレーション。BIMモデル、つまりデジタルツインを詳細につくり込んで解析に用いることで、空調吹き出し口の配置を短時間のうちに最適化できる。竣工後は現地で気流を計測し、その結果をデジタルツインにフィードバックする。

 鹿島は建物の設計段階でBIMを活用することで、プロジェクトの序盤にリソースを集中投下して完成度を高める「フロントローディング」や、複数の業務を並行して進めて工期短縮や品質の向上などを図る「コンカレントエンジニアリング」を実践している。「着工時には仮想空間上で建物が竣工を迎えている、いわゆる『着工時仮想竣工』を目指している」(茅野執行役員)