全1666文字

 建設現場の生産性向上や労働環境の改善に役立つと期待される「建設ロボット」。竹中工務店は、ロボット開発に熱心な建設会社の1つだ。竹中工務店で技術本部長として研究開発の旗を振る村上陸太執行役員は、「鉄腕アトムではなく、ドラえもんのようなロボットが必要だ」と語る。果たしてその真意とは。

講演する竹中工務店技術本部長の村上陸太執行役員(資料:日経クロステック)
講演する竹中工務店技術本部長の村上陸太執行役員(資料:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 「日経クロステック EXPO 2020」で2020年10月21日に講演した村上執行役員は、幅広い世代に支持されている有名アニメのロボットから「機動戦士ガンダム」「ドラえもん」「鉄腕アトム」の3つを引き合いに出して建設ロボットを分類し、その在り方について解説した。

 最初に挙げたのは、パイロットが乗り込んで操作するガンダム。建設ロボットでいうと、職人が身に付けることで筋力を強化したり、疲労を軽減したりする「アシストスーツ」が、ガンダム型とみなせる。同社がメルセデス・ベンツ日本と共同で東京・六本木に設けた展示施設「EQ House」の工事では、アシストスーツを身に付けた職人が仕上げ材などの重量物を運搬して据え付けた。据え付ける位置の確認にはVR(仮想現実)・AR(拡張現実)グラスを活用している。

 続いて挙げたのは、ドラえもん。未来の道具で何でもかなえてくれる「チート級」のロボットというイメージがあるが、村上執行役員は「ドラえもんは確かに便利な道具や情報を与えてはくれるが、実際に課題解決を図るのはあくまでのび太などの人間だ」とする。これを建設ロボットに当てはめると、建設現場の位置情報を計測するツールや「鳥の目」を提供してくれるドローン、あるいは重量物を運搬するロボット、溶接ロボットなどが、実はドラえもん型の建設ロボットなのだという。

 最後に、自分で考えて自ら課題を解決してくれる万能ロボットの鉄腕アトム。技術者が事務所で待っていれば、勝手に作業を進めてビルをつくってくれるイメージだ。産業技術総合研究所が、AI(人工知能)で物体を認識して資材を運び、施工する2足歩行型ロボットの開発を進めている例などはあるが、鉄腕アトムのような建設ロボットが建設現場に登場するのは、まだ先になりそうだ。