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「25体のロボットは失敗作に」

 3つのうち、竹中工務店がとりわけ開発に力を入れているのが、ドラえもん型の建設ロボットだ。ただ、「便利な道具」であるはずのドラえもん型の建設ロボットは、これまでなかなか普及に至らなかった経緯がある。

 竹中工務店が過去に開発してきたロボットは25体。「言いづらいが、25体とも失敗作になっている。ロボットが重くて扱いにくい、据え付けや後片付けに時間がかかる、といった理由から、最終的には『人がやったほうが早い』となってしまう。ロボットというと、鉄腕アトムのような万能ロボットをイメージする人が多く、そのギャップから不満が残って導入が進まない」(村上執行役員)

 村上執行役員は、「鉄腕アトムのような技術に『やってもらう、やらせる』のではなく、ドラえもんの便利な道具、つまりデジタル技術を人が使って作業するという意識を持たなければならない」と語る。

 実際の開発に当たっては、AIなどの先端技術を素早く取り入れるために、オープンイノベーションを重視している。例えば19年には、ロボット技術の革新や商業化を支援する米NPOのSilicon Valley Robotics(シリコンバレーロボティクス)と建設ロボットフォーラムを立ち上げた。

 また、ロボットの製造コストを下げたり、使い勝手を良くしたりして普及を促すために、ライバル企業との協業も辞さない。20年1月にはスーパーゼネコンの鹿島と、ロボットやIoT技術の開発で連携すると発表した。両社のロボットを相互に利用して改良を施すほか、資材搬送の自動化、建設機械の遠隔操作に取り組み、ロボットの低価格化や現場への普及を目指す。さらに20年10月19日、この枠組みに清水建設が加わった。村上執行役員の言う「ドラえもんのようなロボット」の普及に向けた動きは、一気に加速する可能性がある。

鹿島、清水建設、竹中工務店の3社による技術連携のイメージ。具体的な連携領域は現時点では検討中だ(資料:鹿島、清水建設、竹中工務店)
鹿島、清水建設、竹中工務店の3社による技術連携のイメージ。具体的な連携領域は現時点では検討中だ(資料:鹿島、清水建設、竹中工務店)
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