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顧客向け事業改革の要は似て非なる製品・サービスを手掛ける「ミニ富士通」の解消だ。国内事業を再編して新会社を発足、海外事業はグローバル企業流でてこ入れを図る。成長の柱と頼むDX事業の強化を託した子会社も始動した。

 2020年9月16日、時田隆仁社長はパソコンの画面越しに約900人の富士通社員と向き合っていた。2020年10月1日発足の新会社、富士通Japanに合流予定のメンバーである。

 「愛着のある社名が消えるのは寂しい」「新会社でうまくやっていけるのか」――。社長と社員が直接対話するタウンホールミーティングの場で、900人は新会社への期待や不安を次々に口にした。不安は富士通Japanが負う重責の証しとも言える。

 富士通Japanはその名の通り、富士通グループの国内事業を担い、本体やグループ会社の国内事業を統合・再編する新会社である。幹となるのは準大手・中堅・中小向け企業事業を手掛けてきた富士通マーケティングだ。

 第1段階として2020年10月に、流通やヘルスケア、自治体向け事業を担う富士通エフ・アイ・ピーと統合し、さらに富士通本体で中堅・中小向けを担当してきた400人のSEも合流させた。5400人での船出となった。

 第2段階は2021年4月。自治体や医療機関、教育機関を担当する営業やSEから成る富士通の事業部門を富士通Japanに移す。同時に運用・保守サービスを手掛ける富士通エフサスと、ネットワーク事業を手掛ける富士通ネットワークソリューションズについて、それぞれの営業部門を富士通Japanに統合する。富士通本体は大企業や中央省庁向けの事業を担う。

 これにより社員規模1万1000人を見込む富士通Japanの事業規模は約1兆円に膨らむ。売上高2兆円規模の富士通本体を支え、名実ともに富士通グループの国内事業の中核会社となる。富士通は2022年度に本業の「テクノロジーソリューション」の営業利益率10%を達成すべく、富士通Japanの利益率について10%を上回る目標の設定へ議論を重ねている。

図 富士通Japanの概要
図 富士通Japanの概要
国内事業を再編した
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