Windows 10 October 2020 Update(以下、October 2020 Update)はパフォーマンスと品質の向上を重視した位置づけとなっており、配布方法にも工夫が施してある。一部のエディションにおいては、春と秋の大型アップデートでサポート期間も異なる。
秋はパフォーマンスと品質の向上を重視
Windows 10の更新プログラムは2種類ある。1つは最新機能を追加する「機能更新(Feature Update)」で年2回配布される。もう1つは脆弱性やバグ、信頼性に関する修正が中心の「品質更新(Quality Update)」で月1回の提供となっている。
前者の機能更新は大型アップデートとも呼ばれ、春と秋に多くの新機能が提供されてきた。だが2019年秋の「November 2019 Update」から、この状況が変わった。
November 2019 Updateの新機能は、それまでに比べて明らかに少なく限定的だった。パフォーマンスと品質の向上を主目的として、追加する新機能の数を絞ることで安定性を重視した。特に企業ユーザーに対し、業務アプリケーションの互換性の検証作業を少なくして移行コストを最小限に抑えることに配慮した更新であったと考えられる。
その後の2020年春の「May 2020 Update」では従来通り多くの新機能が提供された。そして今回のOctober 2020 Updateは、May 2020 Updateと比べて新機能の数が明らかに少なく、November 2019 Updateと同様、パフォーマンスと品質の向上を重視した位置づけとなっている。
No. | 機能更新 | バージョン | 時期 | リリース日 | 配信形式 |
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1 | October 2020 Update | 20H2 | 秋 | 2020年10月20日 | 有効化パッケージ |
2 | May 2020 Update | 2004 | 春 | 2020年5月27日 | 通常 |
3 | November 2019 Update | 1909 | 秋 | 2019年11月12日 | 有効化パッケージ |
4 | May 2019 Update | 1903 | 春 | 2019年5月21日 | 通常 |
5 | October 2018 Update | 1809 | 秋 | 2018年11月13日 | 通常 |
6 | April 2018 Update | 1803 | 春 | 2018年4月30日 | 通常 |
2019年以降、秋のリリースに関しては連続して同様の位置づけでの機能更新が続いている。米Microsoft(マイクロソフト)は公式にアナウンスしていないが、今後もこの傾向が続く可能性がある。