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 2020年10月16日、「iPhone 12」と「iPhone 12 Pro」の予約が始まった。もちろん予約した。デザインが素敵だ。iPhone 4やiPhone 5シリーズの系譜を受け継いだような角張ったデザインは文句なくかっこいい。2012年9月に登場したiPhone 5は、画面サイズを3.5インチから4インチに拡大し、端末自体も縦長になった。縦寸法が延びた分、スマートさが強調され、今見てもシュッとしてかっこいい。

iPhone 5シリーズの角張ったデザインがiPhone 12シリーズで復活した。久しぶりに引っ張り出したiPhone 4Sを見た家族は「カワイイ」と声を上げた
iPhone 5シリーズの角張ったデザインがiPhone 12シリーズで復活した。久しぶりに引っ張り出したiPhone 4Sを見た家族は「カワイイ」と声を上げた
(筆者撮影)
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 iPhone 12シリーズは全体的に大きくなった分、さすがにiPhone 5的なスマート感は望めないだろうが、厚みが0.2mm薄くなっている。それだけにエッジの効いた側面との相乗効果で、よりシャープな印象を放っているはずと、まだ見ぬ本体を想像し期待を膨らませている。ただ、予約するギリギリまで、“素”のiPhone 12にすべきか、それともちょっとぜいたくしてiPhone 12 Proを選ぶのか迷った。

iPhone 12にすべきか、豪勢にiPhone 12 Proを選ぶか

 発表イベントの動画やその後の情報を見る限り、“素”のiPhone 12とProとの間に決定的な差があるようには感じない。カメラレンズの数以外はデザインも同じだ。プロセッサーは同じだし、画素数が同等のカメラについても決定的な違いはない。おそらく、内蔵メモリーなど非公開部分のスペックは、Proのほうが処理能力などの部分で有利なように設計・実装されているのであろう。だが、だからといって“素”のiPhone 12が著しく劣っているようには思えない。

 決定的な違いを見いだせない中、比較するポイントとして、カメラの仔細な機能差に着目することにした。(1)ズームレンジの広い望遠は必要か、(2)RAW撮影を行うか、(3)Proにしか搭載されないLiDARスキャナーやセンサーシフト式手ぶれ補正は必要か、の3つのポイントを検討した。まず、これまでのiPhoneでの撮影経験を振り返ると、望遠はごくたまにしか使っていない。もちろん、Proの場合、4〜5倍に増えたズームレンジは、あったらあったで使うのかもしれないが、筆者の中では「ズームレンジが広い」ことのプライオリティーは高くはない。

仔細に見るとiPhone 12 Proと比較して“素”のiPhone 12のカメラ機能は劣る部分もあるが、画素数などカメラとしての基本機能は遜色なし
仔細に見るとiPhone 12 Proと比較して“素”のiPhone 12のカメラ機能は劣る部分もあるが、画素数などカメラとしての基本機能は遜色なし
(出所:アップル)
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 その一方で、今後のアップデートでProのみに対応するというRAW撮影は、考慮すべきポイントだった。というのは、現状RAW撮影が可能な「Halide」というサードパーティー製のカメラアプリをよく利用しているからだ。筆者の場合、音楽制作の録音現場などでiPhoneで撮影した写真をそのままCDの印刷物などに利用することがある。その際、RAWで撮影しAdobe Photoshopで現像処理を行うことになるのだが、色を鮮やかにするなど処理の自由度がJPEGとは比べ物にならないくらい高い。そこがRAW撮影のすばらしさだ。

 3つめのポイント、LiDARスキャナーやセンサーシフト式手ぶれ補正については、現時点では“素”のiPhone 12と比較した情報がないので、どの程度の御利益があるのかよく分からない。しかも、センサーシフト式手ぶれ補正は、Pro Maxにしか搭載されないため、後述する理由で今回は比較の対象外とした。