IPv4アドレスがほぼ枯渇し、本格的なIPv6の導入が始まってから久しい。IPv6の基本仕様が作られたのは20年以上前になるが、IPv6を取り巻く環境は激しく変化しており、それに伴って新たな技術も登場している。IPv6の普及状況や基本的な仕組みに加え、OSの対応状況、企業に導入する際のポイント、5Gのコアネットワークで使われる最新技術「SRv6」などについて解説する。

知らないうちにここまで普及、IPv6最新事情
出典:日経NETWORK、2020年10月号 pp.18-33 「IPv6の新常識」を改題、編集
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目次
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5G時代のIPv6最新技術「SRv6」の正体
5G(第5世代移動通信システム)などのネットワークで期待されているIPv6の新技術が「SRv6」だ。「セグメントルーティング(SR)」という従来とはまったく異なるルーティングを実現する。
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iOSやAndoroid、WindowsからmacOSまで、IPv6対応を徹底調査
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なぜIPv4よりIPv6が速いのか、「IPoE」のナゾ
通信速度は主にレイヤー1(物理層)やレイヤー2(データリンク層)で決まる。普通に考えるとレイヤー3(ネットワーク層)のプロトコルであるIPの違いは通信速度に影響しなさそうだ。ところが実際にはIPv6を使ったほうが速くなるケースがある。これは、国内の光回線を使ったインターネットの接続方式に特有の事情…
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違いはアドレス数だけじゃない、IPv4 vs. IPv6 徹底比較
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あなたが知らないうちにIPv6はここまで普及している
インターネットで使用するプロトコルとして生まれたIPv4。その次世代規格としてIPv6は開発された。基本的な機能はIPv4とIPv6で変わりはないので、一般のユーザーはIPv6を使っていても気づかないだろうが実は着々と普及している。