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 IPv4アドレスがほぼ枯渇し、本格的なIPv6の導入が始まってから久しい。IPv6の基本仕様が作られたのは20年以上前になるが、IPv6を取り巻く環境は激しく変化しており、それに伴って新たな技術も登場している。IPv6の普及状況や基本的な仕組みに加え、OSの対応状況、企業に導入する際のポイント、5Gのコアネットワークで使われる最新技術「SRv6」などについて解説する。

 通信速度は主にレイヤー1(物理層)やレイヤー2(データリンク層)で決まる。普通に考えるとレイヤー3(ネットワーク層)のプロトコルであるIPの違いは通信速度に影響しなさそうだ。ところが実際にはIPv6を使ったほうが速くなるケースがある。これは、国内の光回線を使ったインターネットの接続方式に特有の事情に起因している。

NGNとISPの境にボトルネック

 現在のインターネット接続で主流なのは、光ファイバーを使った高速ブロードバンドサービス、いわゆる「光インターネット」である。

「光インターネット」のインフラ構成
「光インターネット」のインフラ構成
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 まずは光インターネットのインフラの構成要素を概観しよう。ユーザーの自宅と収容局は光ファイバーでつながっている。そのトラフィックを集約するのがアクセスネットワークである。NTT東日本やNTT西日本のNGNが代表例だ。このほかKDDIやソニーネットワークコミュニケーションズ、CATV事業者などが自社でアクセスネットワークを整備している。

 アクセスネットワークのトラフィックはさらにISPやVNEのコアネットワークで集約される。VNEはISPにIPv6のインターネット接続回線を卸販売する通信事業者である。