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 前回、Linuxカーネルのビルド設定を終えました。今回はいよいよ実際にカーネルのビルドを実行してみましょう。パッケージをビルドし、それを使ってカーネルをインストールする方法も解説します。

カーネルのビルドとインストールの手順

 ソースツリーのトップディレクトリーで次のコマンドを実行すると、カーネルをビルドしてインストールできます。

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 最初に実行するmakeコマンドでカーネルがビルドされます。makeコマンドの実行完了までの時間は、PCの性能やビルド設定によって変わります。低性能なPC で多くの機能を有効化した場合は、1~数時間かかることもあります。

 次の「sudo make modules_install」コマンドでモジュールファイルが、「sudo make install」コマンドでカーネルイメージや、初期化用ディスクイメージがインストールされます。カーネルイメージのインストール後には、ブートローダーの設定も更新されます。

 なお、ビルドの際にはmakeコマンドに「-j 数字」という形でオプションを指定することで、並列処理の数を指定できます。これを活用するとビルド時間を短縮できます。一般に、PCの論理的なCPU 数(同時に実行できるプログラム数)と同じ数値を指定するとおおむね良好な結果が得られます。

 nprocコマンドを使えば、論理的なCPU数を得られますので、次のようにmakeコマンドを実行するとよいでしょう。

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 「sudo make modules_install」の実行によって、ビルドしたモジュールファイルが「/lib/modules/カーネルのリリース番号」というディレクトリー以下にインストールされます。

 「sudo make install」の実行によって、「installkernel」というコマンドが呼び出されます注1。これによって、多くのディストリビューションでは、カーネルイメージファイルが/bootディレクトリーにコピーされます。カーネルイメージファイルは一般に「vmlinuz」から始まる名前になります。

 新しいカーネルのインストール後は、ブートローダーのメニューからそのカーネルを選択することで起動できます。システムで現在利用中のカーネルのリリース番号は、次のコマンドを実行することで確認できます。

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注1 installkernelコマンドは各ディストリビューションに合わせて作成されています。このコマンドを介することで、ディストリビューションごとの違いを意識せずにカーネルをインストールできるようになっています。