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 アジャイル開発の普及に伴い、開発するシステムの大規模化が進んでいる。大規模向けアジャイル開発フレームワークを採用する企業も増えてきた。世界で最も普及している米Scaled Agile(スケールドアジャイル)の「Scaled Agile Framework(SAFe)」をはじめとして、「Large Scale Scrum(LeSS)」や「Scrum of Scrums(SoS)」などがある。

 これらは複数チームによる開発、または全社をアジャイルで変革する際に、開発者層や経営層が行う業務を定めており、大規模な開発で有効だ。既に国内でも事例が登場している。ここではNTTデータの事例を基に、大規模なフレームワークのメリットや導入ポイントを見ていこう。

NTTデータがSAFeを選択したワケ

 NTTデータは2017年から決済インフラ「CAFIS(キャフィス)」のモバイルペイメントシステムをSAFeを用いて開発している。スクラムチームが約20チームあり、関係者は200人弱である。

 NTTデータの市川耕司 技術革新統括本部システム技術本部デジタル技術部Agileプロフェッショナル担当部長はSAFeを導入した理由を「開発するシステムの規模を考えると、1チームによるスクラム開発では対応できなかった」と説明する。NTTデータグループがグローバルで取り扱うフレームワークにする狙いもあった。

 モバイルペイメントシステムへの適用を始めた2017年はQRコード決済などの黎明(れいめい)期。機能追加が頻発し、ウオーターフォール開発では対応できなかった。しかしスクラムといった従来のアジャイル開発手法では開発スピードが追いつかない。そこでフレームワークを用いた大規模化に踏み切った。

 NTTデータが大規模アジャイルのフレームワークとしてSAFeを選んだ理由は大きく2つある。1つはIT以外の領域でも役割やイベントを規定していることだ。SAFeは例えば予算投資配分のポートフォリオの運用方法やデータの分析方法などを細かく定義している。企業や組織が高品質のプロダクトやサービスを素早く提供する助けとなる。

 もう1つは世界的にユーザー数が多いことである。ユーザー数が多ければそれだけ知見が共有される。導入・運用に当たって情報が多いほうが開発がスムーズに進むと考えたわけだ。