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良質な通信インフラも過去のIT戦略も役に立たなかった。「敗戦」以外の何物でもない――。独占取材に応じた平井卓也デジタル改革相は、新型コロナ対策をこう総括した。日本政府がIT活用で世界に後れを取った反省を基に、デジタル庁の基本構想を語った。

(聞き手=浅川 直輝、外薗 祐理子)

平井 卓也(ひらい・たくや)氏
平井 卓也(ひらい・たくや)氏
1958年生まれ。1980年上智大学外国語学部卒業後、民間企業を経て1987年に西日本放送社長に就任。2000年6月の衆院選挙に初当選して以来、一貫してIT政策を担当する。2018年10月IT担当相。自民党デジタル社会推進特別委員長を経て、2020年9月から現職。(写真:的野 弘路)
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新型コロナウイルスの大流行でITを使った感染症対策や行政支援が進んだ一方、様々な問題も起こりました。これを「デジタル敗戦」と呼んでいますね。

 政府は2001年にIT基本法を施行しました。2001年の「e-Japan戦略」や2013年の「世界最先端IT国家創造宣言」などのIT戦略も打ち出しました。

 どの公約も全く実現できていません。しかも誰も責められていません。国民の期待もあまり大きくなかったからでしょう。だからデジタル政策は他の政策より優先順位が低かった。

 光ファイバー網や携帯電話のカバレッジといった通信インフラだけ見たら、日本はどの国にも負けていません。せっかく良質なインフラがあるのに、新型コロナという事態でうまく使い切れなかった。日本ほどの通信インフラを持たない国がITで成果を上げたのに、日本は過去のインフラ投資やIT戦略が全く役に立たなかった。「敗戦」以外の何物でもありません。

敗戦の原因は。

 結局、供給側が発想したデジタル化であって、国民起点でデジタル化を考えていなかった。反省すべき点です。

 今進めている「縦割り打破」はまだ管理者の発想です。国民からすれば、受けたい行政サービスをどの省庁が提供しているかは関係ない。「何省だ」と意識することこそが行政サービスのUI(ユーザーインターフェース)やUX(利用者体験)を悪くしているのです。

 今までスマートシティにしろデジタル・ガバメントにしろ、上(中央政府)から下(国民)に下ろす構造になっていました。デジタル庁ではそれらを全て国民起点に書き換えます。