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 今回は、PCのストレージが今後2021年にかけてどのようになっていきそうかを見ていく。メインストレージはSSDへと移行したが、HDDもデータの長期保存、バックアップ用などで健在だ。

読み込み速度リード7Gバイト/秒の超高速SSDが登場

 PCI Express(PCIe) 4.0はデータ帯域がPCIe 3.0の2倍になっており、SSDでよく使われる4レーン(x4)の帯域は、PCIe 3.0x4が約4Gバイト/秒(3.94Gバイト/秒)であるのに対し、約8Gバイト/秒(7.88Gバイト/秒)となっている。

 2020年9月に発表された韓国Samsung Electronics(サムスン)の「980 PRO」は、インターフェースにPCIe 4.0を採用し、シーケンシャルリードが7Gバイト/秒、シーケンシャルライトが5Gバイト/秒(いずれも1Tバイトモデルの公称値)という驚異的な転送速度を実現している。

 さらに米Western Digital(ウエスタンデジタル)からもシーケンシャルリード7Gバイト/秒の「WD_BLACK SN850 NVMe SSD」が発表されている(発売は11月を予定)。

サムスンの980 PRO。PCIe 4.0を採用し、シーケンシャルリード7Gバイト/秒、シーケンシャルライト5Gバイト/秒(いずれも1TBモデルの公称値)を実現した
サムスンの980 PRO。PCIe 4.0を採用し、シーケンシャルリード7Gバイト/秒、シーケンシャルライト5Gバイト/秒(いずれも1TBモデルの公称値)を実現した
(出所:ITGマーケティング)
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インテルのプラットフォームもPCIe 4.0対応に

 PCIe 4.0対応SSDは2019年半ばから幾つか出ていたが、これまでは業界トップシェアを争うメジャー製品がなかったためマニア向けという印象が否めなかった。しかしメジャーの一角であるサムスンとウエスタンデジタルから出てきたことで状況は一気に進展した。また、これまでのPCIe 4.0対応SSDの性能はシーケンシャルリードで5Gバイト/秒が水準であっただけに、性能面で新しいステージへと突入したという印象だ。

 PCIe 4.0に関しては、プラットフォームの面でも進展がある。これまでは米AMDの第3世代RyzenとX570/B450チップセット、第3世代Ryzen Threadripperとそれに対応したTRX40チップセットでしか利用できなかったが、米Intel(インテル)の新しいモバイル向け第11世代CoreプロセッサーがPCIe 4.0をサポート。インテルのデスクトップPC向けプラットフォームでも次の世代からPCIe 4.0がサポートされる見込みとなっている。プラットフォームの準備も整いつつあり、本格的な普及段階に入りそうだ。

開発コードネーム「Tiger Lake」こと第11世代Coreプロセッサーは、インテルのプラットフォームとして初めてPCIe 4.0をサポートした
開発コードネーム「Tiger Lake」こと第11世代Coreプロセッサーは、インテルのプラットフォームとして初めてPCIe 4.0をサポートした
(出所:インテル)
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PCIe SSDの低価格化が進む

 低価格帯のSSDの状況も徐々に変化しつつある。現在、SSDでは「M.2」と「2.5インチ(7mm厚)」の2種類のフォームファクターが使われている。そしてM.2 SSDのインターフェースは、PCIeとSATA(Serial ATA 6Gb/s)の2種類がある。

 従来は低価格SSDと言えば、2.5インチのSATA SSDだった。しかしM.2のPCIe SSDの低価格帯モデル価格が徐々に下がってきており、現在ではほとんど変わらないか、同じ容量ならばPCIe SSDのほうが安いケースもある。2.5インチのSSDがすぐになくなることはないが、すでにフォームファクターはM.2が、インターフェースはPCIeが主流になってきていることがうかがえる現象だ。

従来、低価格SSDと言えばこのような2.5インチのSATA SSDが主流だったが、同一メーカーの製品でもカードタイプのM.2のほうが安いケースも増えてきた。写真はウエスタンデジタルの「WD Blue 3D NAND SATA SSD」
従来、低価格SSDと言えばこのような2.5インチのSATA SSDが主流だったが、同一メーカーの製品でもカードタイプのM.2のほうが安いケースも増えてきた。写真はウエスタンデジタルの「WD Blue 3D NAND SATA SSD」
(出所:CFD販売)
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