全925文字
PR

きっかけはiPhone 12 miniの分解

 発見のきっかけは、日本向けのiPhone 12 miniの分解だった。同端末の分解時、何らかの目的で容積を埋めるための金属部品がメイン基板上部にあった。その金属部品の下のメイン基板部分を見たところ、コネクターが搭載できそうな不可解なスペースが存在した。

謎の金属部品
謎の金属部品
何もない部分の容積を埋めるようにメイン基板の上に設置されていた(写真:加藤 康)
[画像のクリックで拡大表示]

 そこで、米国向けのiPhone 12 miniの分解画像を公開している米iFixit(アイフィックスイット)の画像と比較してみた。すると、同社が分解した米国向け端末のその場所にはコネクターがあった。米国向けと日本向けの違いはミリ波への対応であることから、このコネクターはミリ波のアンテナ向けと推測された。

米国向け端末(上)と欧州向け端末(下)のiPhone 12 miniの基板
米国向け端末(上)と欧州向け端末(下)のiPhone 12 miniの基板
iFixitのWebサイトより転載。赤く囲まれた部分が第3のミリ波アンテナとみられるモジュールにつながるコネクター部。米国向け端末の基板にはコネクターがあり、欧州向けにはコネクターがない。日経クロステックが分解した日本向け端末の基板も欧州向けと同じ状態だった。
[画像のクリックで拡大表示]

 さらに、iFixitのiPhone 12 miniの分解画像や、フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズの同12の分解画像などからこのコネクターの接続先として、日本向けにはないモジュールにたどり着いた。それが、先に述べたFace ID近くのモジュールである。

 筐体背面、側面の2つのミリ波アンテナは、手で筐体を握ると、この両方が隠れてしまう可能性がある。このFace ID近くのモジュールがミリ波アンテナであるとすれば、手によって隠れることがない。第3のミリ波アンテナとして搭載する場所としては理にかなう。

 現時点では、分析情報が不足しており、ミリ波のアンテナとは断定できていないが、日経クロステック編集部ではその可能性が高いとみている。