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 米Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)が開発した4脚歩行ロボット「Spot」。これをクロステック編集部で徹底的に研究するプロジェクトが始動した。今後、外部の協力も仰ぎながらSpotの使い勝手、使い道、性能などを調べる予定だ。今回は米国から届いたSpotを開封し、動かし始めるまでを報告する。

 「うわ、動いた」

Spotが歩き出した(撮影:加藤 康)
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Spotが歩き出した(撮影:加藤 康)

 犬型のロボットがにわかに立ち上がると、日経クロステック編集部フロアにできた人だかりから驚きの声があがった。視線の先にあるのは、米Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)が開発した4脚歩行ロボット「Spot」だ。Spotが「ウィンウィン」という機械音とともに歩きだすと、一同は思わず後ずさる。「動物みたいな動きだ」と記者の1人はつぶやいた。

(撮影:日経クロステック)

 Spotは外形寸法が1100×500×840mmで、質量が32.5㎏の四脚ロボットだ。30cmの段差の上り下りや、傾斜30度の地形を移動できる。倒れた状態から自力で起き上がるなど、高い運動性能を持つ。2020年7月には、20台のSpotがプロ野球チームの応援ダンスを披露したことで話題を呼んだ(関連記事)。

 Spotはコントローラーを用いて遠隔操作できるが、それだけではない。最大の特徴は自律歩行で、LiDAR(Light Detection and Ranging)や360度カメラを搭載した上で巡行ルートを設定すれば、警備や点検業務などを自動で遂行できる。ペイロード(最大積載量)は14kgで、背の部分にある周辺機器取り付け用のレールに、周辺機器を取り付けて、複雑な作業もさせられる。例えばアームを搭載すれば、ドアの開け閉めや物体のピックアップなどが可能だ。