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 玉川大学工学部の岡田浩之教授の協力を得て、岡田教授の研究室で2020年11月初めから進めていた、自動運転ソフトウエア「Autoware」を使ったSpotの自動走行実験。約1カ月の試行錯誤を経て、ついにSpotの自動走行が実現した。

自動走行するSpot。Autoware用のパソコンを人が背負い、ケーブルでSpotと接続した。Spotの背面には3次元レーザーレーダー(LiDAR)と周囲を記録するためのアクションカメラを搭載している
自動走行するSpot。Autoware用のパソコンを人が背負い、ケーブルでSpotと接続した。Spotの背面には3次元レーザーレーダー(LiDAR)と周囲を記録するためのアクションカメラを搭載している
撮影:日経クロステック
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 Autowareはベンチャー企業のティアフォーが開発したオープンソースの自動運転ソフトウエアだ。車輪で走行する車両を自動運転させるために使うのが一般的。だが、Spotは車輪ではなく4本の脚で走行するロボットだ。岡田研究室ではいかにして、4脚ロボットの自動走行に成功したのか。実現までの道のりをたどる。

地図を作り、経路を生成する

 「地図が完成しました」。11月27日、実験を担当する玉川大学4年生の坂巻新さんからメッセージとともに画像が送られてきた。

自動走行のために作成した3次元地図
自動走行のために作成した3次元地図
出所:玉川大学岡田研究室
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同じ経路をGoogleマップで表示した
同じ経路をGoogleマップで表示した
出所:玉川大学岡田研究室
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 Spotの自動走行に必要なのが地図だ。坂巻さんらはまず、東京都町田市に位置する玉川大学のキャンパス内にある、研究室を出発点とする約750メートルの経路の3次元地図を作製した。この経路には起伏や階段もある。地図を作製するのもSpot自身だ。Spotの背面に米Velodyne LiDAR(ベロダイン・ライダー)の3次元レーザーレーダー(LiDAR)「VLP-16」を搭載。そのSpotをキャンパス内で歩かせることで周囲の地図を作製する。

 11月30日夜、坂巻さんから「自己位置推定ができました」という進捗の報告があった。自動走行では、Spotが歩きながら地図を作製し自己位置推定するSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)を繰り返す。そのために、Spot自身が地図の中で今どこを歩いているのかを把握できるようにする必要がある。