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 前編で紹介したように、米Sony Interactive Entertainment(SIE、ソニー・インタラクティブエンタテインメント)の新しい据え置き型ゲーム機「PlayStation 5(PS5)」では、無駄取りで即ゲームにアクセスできるようにし、かつゲームを深くプレーできる仕組みを盛り込んだ。さらにPS5では、ユーザー同士の交流を促す仕組みを強化し、ゲームプレーにおけるユーザー体験(UX)の向上を目指した。

 PS5の商品企画・UXデザインを統括する西野秀明氏(SIE プラットフォーム・プランニング&マネジメント担当シニア・バイス・プレジデント)によれば、重きを置いたのは、普段からやり取りしている見知ったユーザー同士が集まったグループでの交流だ。ネットワーク越しでも、あたかも友人の家にみんなで集まって、「ワイワイガヤガヤ(ワイガヤ)」と話しながら、ゲームをプレーして楽しめるようにすることを目指した。新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、世界中で外出制限が敷かれ、友人同士で家に集まることが困難になった。そのため、各自が家にいながらワイガヤして一緒にゲームをプレーできる機能は、コロナ禍によって、「重要だと再認識できた」(西野氏)という。

西野 秀明(にしの・ひであき)氏
西野 秀明(にしの・ひであき)氏
米Sony Interactive Entertainment プラットフォーム・プランニング&マネジメント担当シニア・バイス・プレジデント。2000年にソニー入社。携帯電話機の商品企画やサービス企画・運用などを担当したのち、2006年にソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE、現SIE)へ。SCEで「Folding@home」や「Life with PlayStation」などの企画、サービスアライアンスを担当。2009年に米国でSony Network Entertainment Internationalを立ち上げに関わる。2013年からSCEで部長として商品企画を担当し、2015年から現職。(出所:SIE)
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 こうした目的のために、PS5では「パーティー」機能を拡張した。同機能では、パーティーとして登録したユーザー同士で、ボイスチャットやメッセージの送受信を行いながらゲームをプレーできる。

 PS4でも導入されている機能だが、PS5でさらに進化させた。例えばボイスチャット機能を強化した。ボイスチャットはもともと、ネットワークを通じて一緒にゲームをプレーしているユーザー同士でコミュニケーションを図り、ゲームを円滑に進めるためのものだ。だが、ゲームに直接関係ない話もする、コミュニケーションツールとしても利用されている。 

 PS5では、ボイスチャットをすぐに始められるようにした。例えば、ゲームをプレー中、パーティー内のユーザーがチャットを始めると通知が来る。ここで、PSボタンを押すと、誰と誰がチャット中かなどの情報が表示される。それを見て、参加するかどうかを決められる。チャットに参加する際は、PS5用コントローラーが備えるマイクで会話できる。わざわざヘッドセットをかぶる必要がない。PS4のユーザーやPS用アプリを通じてスマホユーザーも会話に参加できる。

ゲーム中に、パーティー内のユーザーがボイスチャットを始めると通知が来る。通知は画面右上に表示されている
ゲーム中に、パーティー内のユーザーがボイスチャットを始めると通知が来る。通知は画面右上に表示されている
(出所:SIEの公式動画)
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ボイスチャットに参加するかどうか、すぐに決められる
ボイスチャットに参加するかどうか、すぐに決められる
(出所:SIEの公式動画)
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 オンラインでのマルチプレーも参加しやすくした。「フレンド」として事前登録したユーザーが開始しているマルチプレーが、「コントロールセンター」のカードとして表示される。そのカードを選択すれば、ユーザーはそのマルチプレーにすぐに参加できる。

つながりのあるユーザー同士が始めたゲームのマルチプレーは、コントロールセンターのカードとして表示される
つながりのあるユーザー同士が始めたゲームのマルチプレーは、コントロールセンターのカードとして表示される
(出所:SIEの公式動画)
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 ゲームプレーのシェアも強化した。例えば、「シェアスクリーン」と呼ぶ機能を導入した。パーティーのボイスチャット機能を通じて、自分のゲーム画面をリアルタイムで最大16人に配信できる。パーティー内の他のユーザーは、そのゲームプレーの様子を、「ピクチャー・イン・ピクチャー」でゲームプレー中の画面に一緒に表示して確認できる。

ゲームプレー中に、他のユーザーのゲームプレーの様子を映した動画を、「ピクチャー・イン・ピクチャー」で一緒に表示できる。この画面では右上に表示している
ゲームプレー中に、他のユーザーのゲームプレーの様子を映した動画を、「ピクチャー・イン・ピクチャー」で一緒に表示できる。この画面では右上に表示している
(出所:SIEの公式動画)
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 シェアするゲーム画像に対してメッセージを添えられる。その文字は、音声認識機能によって入力可能だ。ゲーム機のコントローラーだと、文字入力はキーボードに比べて難しい。音声認識であれば、キーボードを使わずとも容易に文字を入力できる。音声による文字入力は、これだけにとどまらず、「システム全般にわたって利用できる」(西野氏)。加えて、アクセシビリティー対応として、チャットにおいて入力された声をテキストとして表示することも可能である。発売当初は、英語や日本語、ドイツ語、フランス語、スペイン語などに対応する。

シェアするゲーム画像に対して、音声認識機能によって文字入力している場面
シェアするゲーム画像に対して、音声認識機能によって文字入力している場面
(出所:SIEの公式動画)
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