テレワークに役立つツールやサービスは何か――。日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボが40種類を対象に調査したところ、業務用クラウドの首位は「勤怠管理」だった。
調査は日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボが2021年4月に実施した。「テレワークを円滑に進めるために役立つと思うITツールやサービスを選んでください」と複数回答で尋ねた。
選択肢は40種類を用意し、5分野に分けて集計した。5分野とは「端末・通信関連」「対話・情報共有ツール/クラウド」「業務用・ペーパーレス支援ツール/クラウド」「情報保護関連」「周辺機器・その他」である。
40種類のベスト3は「ノートパソコン」(88.0%)、「Web会議(Zoomなど)」(81.5%)、「ビジネス向けチャット(Teamsなど)」(72.5%)だった。いずれもテレワークに欠かせないツールであり、順当な結果と言える。
ツールやサービス | 回答率 |
---|---|
ノートパソコン | 88.0% |
Web会議(Zoomなど) | 81.5% |
ビジネス向けチャット(Teamsなど) | 72.5% |
椅子 | 71.0% |
光回線 | 68.0% |
作業机 | 67.5% |
電子メール | 66.0% |
Wi-Fi環境 | 66.0% |
外付けモニター | 62.0% |
勤怠管理 | 58.5% |
予定表/情報共有/グループウエア | 58.5% |
番狂わせを指摘するとしたら、3位の「ビジネス向けチャット(Teamsなど)」が「電子メール」(66.0%、8位)を6.5ポイント上回ったことだろう。テレワークの浸透によって、情報共有や対話に使うITツールの定番が入れ替わった。
4~10位は「椅子」(71.0%)、「光回線」(68.0%)、「作業机」(67.5%)、「電子メール」と「Wi-Fi環境」(いずれも66.0%)、「外付けモニター」(62.0%)、「勤怠管理」と「予定表/情報共有/グループウエア」(いずれも58.5%)だった。
「勤怠管理」は業務クラウド関連で唯一トップ10に入った。テレワークにあたっては、自宅で仕事をする際の終業時刻を正確に記録・管理する必要が生じる。働き方のニューノーマル(新常態)において、勤怠管理のクラウドが最も必要とされている実態がわかった。
業務クラウド「3種の神器」とは
5分野別の結果も見てみる。「端末・通信関連」分野の首位は「ノートパソコン」(88.0%)だった。ノートパソコンがないとテレワークはほぼ不可能。順当な結果となった。2位は「光回線」(68.0%)、3位は「Wi-Fi環境」(66.0%)だ。携帯電話などの無線網よりも光回線などの有線網が支持を集めた。
【端末・通信関連】 | 回答率 |
---|---|
ノートパソコン | 88.0% |
光回線 | 68.0% |
Wi-Fi環境 | 66.0% |
携帯電話/スマートフォン回線 | 42.5% |
スマートフォン | 37.5% |
タブレット | 33.0% |
デスクトップパソコン | 23.0% |
ケーブルテレビ回線 | 11.5% |
ADSL回線 | 1.5% |