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 テレワークにおける最大の課題は、同僚とのコミュニケーションにある――。日経BP総合研究所 イノベーションICTラボが実施した「新たな働き方に関する調査」の結果を一言でまとめるとこうなる。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ目的で広がったテレワークの実態を調査によって探る特集の第2回は、在宅勤務の新たな課題について見る。

 調査は2020年10月14~30日にWebサイトを通じて、日経BPのデジタルメディアの読者・会員を対象に実施した。調査で「テレワークを利用する際に不便・不安と感じる点や、テレワーク利用の阻害要因になると思う点」について複数回答で聞いた結果が、以下のグラフである。

(出所:日経BP総研 イノベーションICTラボ)
(出所:日経BP総研 イノベーションICTラボ)
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 首位は「同僚(上司や部下を含む)とのコミュニケーションに支障がある」が突出。48.0%と約半分の人が選んだ。Web会議ツールよりもリアルで話をしたほうが意思疎通しやすいということだろう。

 一方で、同じ対話でも「取引先や顧客とのコミュニケーションに支障がある」を選んだ人は20.6%にとどまった。「同僚とのコミュニケーションに支障がある」を選んだ人より27.4ポイントも低い。

 取引先や顧客との対話は、商談などテーマが決まっているケースが多い。一方で同僚との対話はアイデアの議論や雑談を含め議題が曖昧なこともある。部署内でのフリーディスカッションをどのように展開していくかが、今後の課題と言えそうだ。

 テレワークを阻害する要因の2位は「ずっと自宅にいると、心身を仕事モードに切り替えにくい」で36.3%だった。3位は「書類・伝票類(紙)を取り扱う業務(押印、決裁、発送、受領等)をテレワークの対象とできずに不便」が31.4%で続いた。

阻害要因「トップ3」は不変

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ目的で緊急事態宣言が出されてから半年強、これらの課題は変化したのだろうか。ここで日経BP総研が20年4月の緊急事態宣言直後に実施したテレワークの調査結果と比べてみる。

 4月の調査を見ると、阻害要因のトップ3は「同僚(上司や部下を含む)とのコミュニケーションに支障がある」(37.3%)「書類・伝票類(紙)を取り扱う業務(押印、決裁、発送、受領等)をテレワークの対象とできずに不便」(32.2%)「ずっと自宅にいると、心身を仕事モードに切り替えにくい」(31.3%)だった。この半年で2位と3位が入れ替わったが、トップ3の顔ぶれは不変だ。

 だが今回調査と4月調査のポイント数に目を向けると、ある変化が見て取れる。具体的には両調査で首位だった「同僚(上司や部下を含む)とのコミュニケーションに支障がある」を選んだ人の割合が、半年間で10.7ポイント増えているのだ。テレワークを半年以上継続してみて、そのうえで改めて課題を実感しているようだ。