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 米Apple(アップル)のデスクトップ型Mac「Mac mini」の新モデルが、2020年11月17日に日本で発売された。Apple Silicon版Macの第一弾モデルで、Mac向けの独自プロセッサー「M1」を搭載している。国内デスクトップPC市場で大きく売り上げを伸ばすなど話題を呼んでいる。

Apple Siliconを搭載した新「Mac mini」
Apple Siliconを搭載した新「Mac mini」
(撮影:山口 健太、以下同じ)
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 果たして新しいMac miniは、米Intel(インテル)製プロセッサーを搭載した旧モデルと比べてどれくらいの性能差があるのだろうか。本記事では6コアのCore i5プロセッサーを搭載した2018年モデルのMac miniと比較する。

M1のパフォーマンスは本物、発熱や消費電力も大幅減

 アップルはM1プロセッサーの特徴として、消費電力1ワット当たりの処理能力の高さをうたっている。実際にM1版Mac miniを使っていて最も印象的なのが、高性能と低消費電力を両立している点だ。

 ベンチマークテスト「Geekbench 5」では、シングルコアが1738、マルチコアが7590で、インテル版Mac miniが搭載する6コアの「Core i5-8500B」に対してシングルコアは69%、マルチコアは48%速い結果となった。

 CPU性能を測定するベンチマークテスト「Cinebench R23」では、シングルコアが1521、マルチコアが7776となり、Core i5と比べていずれも44%速い結果となった。Webブラウザーでは、標準のSafariでJavaScriptのベンチマーク「JetStream 2」を実行したところ、スコアは約191で、Core i5より17%速かった。

 ベンチマークテスト実行中の発熱にも大きな差があった。インテル版は本体全体が熱を持ち、内部温度は70度近くに上昇。ファンの回転数は最高速度の4400rpmに張り付き、うなりを上げながら熱風を吐き出していた。

「TG Pro」でベンチマークテスト中の温度を比較。インテル版Mac mini(左)とM1版Mac mini(右)
「TG Pro」でベンチマークテスト中の温度を比較。インテル版Mac mini(左)とM1版Mac mini(右)
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 一方、M1版Mac miniもプロセッサーの温度は上昇するものの、本体が熱を持つほどではない。ファンの回転数は最低速度の1700rpmからほとんど上がらず、排気された空気も熱くはなかった。

M1版Mac miniの排気口。負荷をかけ続けてもぬるい風が出てくる程度だった
M1版Mac miniの排気口。負荷をかけ続けてもぬるい風が出てくる程度だった
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 M1を搭載したMacは、MacBook Airの下位モデルのGPUが7コアとなっているが、それ以外はどれもGPUが8コアの同じプロセッサーを使っており、短時間の利用であれば差が出ないようだ。その中でもMac miniは冷却能力に大きな余裕があり、長時間の高負荷に強いことが特徴といえる。

 消費電力も大きく異なる。電力チェッカーで調べたところ、負荷をかけない状態ではインテル版の約11Wに対し、M1は約3W。ベンチマークテストの実行中はインテル版が100Wを超えるのに対し、M1は40W前後にとどまっていた。

 M1の製造プロセスは5ナノメートルで、第8世代Core i5の14ナノメートルとは大きく世代が異なることもあり、高性能と低消費電力を高いレベルで両立したことが数字に表れた印象だ。